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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第二章 勇者の猛威
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雅な風習

「姐御!やっぱり狼じゃダメなんすよ」



「チッ!」



私は渋々変身を解いて、

人型に戻った。


人狼である事を強調する為、

ケモ耳はそのままだ。



「ワーウルフ!?なんとおぞましい…」



「まさに怪物の魔女…」



「人ではなかったのか?

人より更に浅ましい…」



「何ゆえ陛下はかような、

下賎な犬ごときに…」



「犬が娘に化けて、

陛下を惑わしたか!?」



横に並ぶ家臣エルフ達の、

ひそひそ話が、

この耳ではよく聞こえる…


私も謁見乗り気ではないので、

むしろ逆に意気投合だ。



「栄えしそなたが走狗に堕ちようと、

汝は愛らしき花なり。


我が宮の花瓶に差せるならば、

全てを贄にしてでも、

汝の夢を叶えん…」



オーベロン王がなんか言った!?

どういう事!?

家臣の陰口のがまだ分かりやすい!


するとゴートが説明し始めた。



「エルフは自作の詩を詠んで、

求愛するだ。


受けるのも断るのも、

詩で返さないとダメな掟なんだな」



高貴な種族だけに、

エルフて平安貴族みたいだな…


女の前に自分に酔ってそうで、

面倒臭いなあ…



「因みに今の詩は、

栄どんも王妃にしたい。


宮廷魔法使い全員を、

過労死させる勢いで呪詛させ続け、

オーベロン王自ら妖精軍率いたら、

栄どんがしたい人類滅亡が、

出来なくはないって、

意味なんだな…」



ゴート自身が無いと言ってた、

人類滅ぼす魔法…

エルフなら出来なくないの!?


しかしそれ本当に無理だな…

そんな事したら人類滅ぼせても、

自分たち妖精の犠牲が大き過ぎる…


弱った隙に、

他亜人種族に攻め込まれたり、

内乱起こったりする…


そもそも勇者パーティが、

黙っていない…


私一人のために本当に、

そこまでするほど、

馬鹿な暴君ではないだろう…


王なら女の前に、

民や家臣を考えなきゃ…



王妃や他女達は、

私を睨み付けている…


身の程を弁えない、

人狼の娘が的な視線だ…


まさに女の敵は女!



私は取り敢えず、

カーテシーしながら答えた。



「陛下、人狼の私めに身に余る光栄です。

ですが下賎で野蛮な私は、

エルフの(みやび)な風習、

今初めて聞きました。


なので返す詩を、

考える時間を一晩下さい」



「そうかそうか初めてか、

(うい)やつめ!はっはっは!」



初心者の女を有り難がる辺り、

こいつ益々人間の男と変わらないな…


王妃なりたくはないが、

かと言ってはっきり断れば、

帰り道で殺されたり呪われたりしかねない…


ここは穏便にやんわりと、

断らないと…

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