戦術の幅
それから私の戦術の幅は、
かなり広がった。
「へっへっへ姉ちゃん剣士か?」
「可愛がってから売り飛ばしてヤるぜ」
分かりやすい盗賊四人が現れた、
斬り易い言動だが実戦慣れしてそうで、
私のにわか剣法では勝てなそうだ。
だが!
「うわっ!?」
「なっ!?」
「!?」
「えっ!?」
盗賊四人の体は、
胸から下まで急に埋まった。
地面に潜ったサワイが、
体を引きずり込んで封じたのだ。
空からのワイバーンには誰もが警戒しても、
地面のワイバーンは誰も予想出来ない。
後は私でも簡単。
「ぐわー!?」
「ぎゃー!?」
「ぐえー!?」
「がはー!?」
一人ずつ上から頭を刺して、
四人とも始末出来た。
完全に四人が地中に引きずり込まれ、
後はサワイの食料だ。
埋まった盗賊の頭の位置的に、
私のパンツが見えた気がして、
後から恥ずかしくなった。
だが女の股から産まれて女の股を弄び、
最後に女の股を見て死ねるなら、
良い冥土の土産になるだろう。
他にも怪物に襲われ、
必死で逃げてきたフリをしたりもした。
サワイは破れた羽根を広げ牙を剥き、
いかにも飛行で狩りが出来なくなり、
人を喰わざるを得なくなった、
凶暴なワイバーンの演技をする。
サワイを退治しようとした冒険者を、
私が刀で全員斬ったりと、
より騙し討ちの幅が広がった。
「ありがとうサワイ、
今日も貴方のおかげでまた、
人間退治出来たわ」
「姐御のお役に立てて嬉しいっす!」