服の変化
「大倉の変貌の方が凄いゆえ、
霞みそうだが…
これを見よ!」
先生がテーブルに置いたのは、
書かれたばかりの手配書だった。
手配書の先生は、
鹿角で鬣髭の東洋龍で座り、
和服を来ていて軍指揮官や士官みたく、
両手を爪刀の柄尻にして床を突く、
かなり忠実な絵だった!
「この人相書きは一体!?」
「ふっふっふ…
近い城下町の輩の頓所に行き、
受付にわしを描き直す様に、
命じたのだ!」
和風変換しているので、
ややこしいのだが、
つまり冒険者ギルドに乗り込み、
これを描かせた!?
私も冒険者ギルド乗り込んだけど、
そんな理由で!?
「その場に居た連中が、
わしを狩ろうとしたのを、
全てその場で斬り伏せた故、
報償金も吊り上がろうぞ!」
つまり指名手配犯が警察署に行き、
自首でなく描き直しをさせ、
ついでに爆破した様な感じ!?
あの人相書き、
そこまで嫌だったの!?
アダムワールド武士は、
欧米行ったら洋服着替えたのに、
先生は頑なに和服のままだし、
カタカナ使わず意地でも和風変換…
先生教え方は柔軟なのに、
キャラや服装は拘るのか!
その辺の女の子より、
ファッション追及する、
お洒落さんだなた~
「それなら私もこの完全狼の姿に、
描き直させよ!
ひとっ走りしてくる!」
「待ってください姐御!
その姿じゃ喋る変な犬っす!
ぶっちゃけ俺は、
こっちの人としての、
姐御の絵が好きなんすが…」
「オラも元の栄どんや、
頭に狼耳の方が好きだ…
今日は色々有り過ぎたから、
休んだ方が良いんだな!
栄どんHP少ないだし!」
言われてみると今日は、
勇者、菓子、魔女、変身、人狼と、
漢字二文字の濃い事立て続けで、
疲れたかも…
お腹もすいてきた…
「あっ!でもこの姿なら、
料理しなくても肉生で食べれる!
服着なくて良いし布団も要らない!」
「姐御そこまで人捨てるんすか!?」
「そういや服が、
見当たらないけど何処行っただ!?」
そういや眼鏡のみそのままで、
それ以外のは見当たらない…
人斬り丸はそこに落ちていた…
人間戻って裸は困るな…
「安心おし、
獣人や人間になれば、
服は復活するよ」
「わしと今の大倉では、
どちらが人か分からぬな…
わしも服や足袋や履き物は鱗を、
笠は鬣を編んだ故、
厳密には今も裸ではあるが…」
確かに私より先生のが見た目人間ぽい!
逆に私は服が毛皮に変化したから、
厳密には今も着衣だろうか?