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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第二章 勇者の猛威
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政治的口説き

私は飲み食いしたいが念のため、

紅茶にもケーキにも手を付けず、

身構えていると、

勇者キョウは何かの地図を取り出した。



モナカ王国地図の様だが、

勇者キョウは羽根ペンで、

適応な円を付けた。



「君は人が憎くて、

モンスターを守りたいんだろう?


このまま戦っていては、

君が大好きなモンスターにも犠牲が出る…


そこでだ、

こうして自治区…国でも良い。


君がモンスターを一ヶ所に集めて、

一緒に仲良く暮らすと良い」



「モンスターの独立国!?

そんなの人間が許す訳が…」



「大丈夫、勇者の僕が言えば、

みんな納得する…

国王陛下や女神様も、

僕が説得すればなんとかなる…


君がモンスターを抑えて、

人を襲わせない代わりに、

僕は人間にモンスターを討伐させない。


みんなが幸せになる、

平和的な未来だと思わないかい?」



なるほど確かに悪い話ではない…

このまま冒険者返り討ちだけでは、

人類を全然滅ぼせない…


アリアドネやアンデッドやクップくんみたいな、

モンスター犠牲者は見たくない…



今の私とお母様の様に、

国境で住み分ければ、

人間と互いに顔を合わせなくて済む…



だがこの和平案最大の問題は、

絶対長続きしない事だ…


バチカン市国みたいな、

宗教特別枠はまだしも、

モナカ王国ほど広大な大帝国が、

内部にモンスターの国など許すだろうか?



ゴブリンのダンジョンなど、

亜人の国は集落に近い小規模だから、


アダムワールド日本内地方の、

ミニ独立国感覚で、

ギリギリ許されているのだろうが、

全モンスター集めるなら、

蝦夷共和国も同義だ…



現に勇者キョウは魔族の国である、

悪魔帝国に攻め込んだ、

張本人ではないか。



恐らく奴等のシナリオはこうだ。


好戦的そうな私のモンスター国に、

上手く煽ったり口実を付けたりして、

先制攻撃させる。


それで国民の憎悪をかきたて、

迎撃の大義名分で滅ぼし、

王室や勇者の支持を高める、

人気取りだ。


悪魔帝国よりは遥かに手軽に、

倒せる敵国だろうしな。



もし勇者キョウが本当に、

私と和平を望んでいたとしても、

勇者であるなら女神や王や国民感情に、

逆らえないだろう…


むしろ長続きしたとしても、

それは満州国みたいな、

傀儡国家でしかない…



てかこいつ私を可愛いだの、

ケーキだの平和だの、

普通の女の子だと思ってないか?


普通の女の子が人殺して、

モンスター守る訳無いだろ!


お前のお仲間のドワーフやエルフみたく、

私は人間の異端児だ!

その辺の人間と一緒にするな!

脳内お花畑め!



「えーとそれは、

どうせ長続きしないから無理…

私が人類を滅ぼさない限り、

モンスターは守れない」



「こう言ったら君には、

侮辱なんだろうけど、

君はモンスターにとっての勇者なんだ」



確かに最低の侮辱ではあるが、

勇者であるこいつには、

最高の称賛なのだろう…

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