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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第一章 どの悪役令嬢より「悪役」令嬢
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最大の武器と最悪な皮肉

翌朝目を覚ますと、

私とサワイは複数の冒険者達に、

取り囲まれていた。



「へっへっへ…

こいつが例のワイバーン使いか…」



「そうです!この女の刀どうぞ!」



「あっ!?」



なんと!クップくんは、

冒険者に私をチクった上に、

人斬り丸を盗んで渡していた!


クップくんが与するだけあり、

遊び人がリーダーの、

珍しい冒険者パーティだ!



「お前は殺して首でも報償金貰えるが、

生け捕りならもっと貰えるぜ!


皆で可愛がってからギルドに売り、

その金で飲み明かそうぜ!」



「イェーイ!」



遊び人がリーダーなだけあり、

ほぼ盗賊な民度の低さだ!


てか私この人数が、

飲み明かせる位には、

値上がりしたのか!?



「さ、栄子さん!

今こそ遊び人様に屈服するチャンスですよ!

人間滅ぼすなんて出来る訳無いです!

モンスターは人間に使役されれば幸せです!


一緒に気持ち良くなってから、

人を殺した罪を償いましょう!


屈服!屈服~♪」



裏切りだがクップくん的には、

これがご褒美のつもりなのか!?


私が剣士だから、

刀を渡せば勝てると思った様だが、

私最大の武器は剣術じゃない。


モンスターとの絆だ!


私自身は大した戦力じゃない!



サワイはすかさず炎、

ゴートは雷魔法を放ち、

冒険者たちを瞬く間に消し炭に変えた。


盾や防御結界で防御した者は、

サワイの尾先毒針や、

ゴートの岩魔法で貫かれた。



「くっ!俺の旋律を聴け~!」



遊び人は小さな竪琴で、

音撃を繰り出したが、

ゴートの防御結界は、

私とサワイの耳を塞いだ。



遊び人は演奏に夢中で、

人斬り丸を落としたので、

私は突っ込んで拾った勢いで、

竪琴ごと遊び人を切り払った!



遊んでいるだけのこいつらは、

理想のため真面目に戦い続ける、

私たちの敵ではなかった。



「あわわわわわ…」



クップくんは腰をぬかし、

漏らして震えながら私を見上げる。



「こいつらに脅されたのよね?

恐かったよね?

もう大丈夫だよ」



「はい!ありがとうございます!

栄子さん一生ついてきます!

もう裏切りません!」



クップくんは好き好んで裏切った訳でない、

渋々従わざるを得なかったんだ、

サワイとゴートが驚いた目で私を見るが、

きっとクップくんとも心が通じ合える!


共にモンスターを守るために、

人間と戦う仲間になれる!



だか突然クップくんの首が落ちた、

静観していた先生が斬ったのだ。



「先生…何で?」



サワイがアリアドネ焼却に続いて、

私がはっきり見殺しにしてしまった、

二体目のモンスターになった…



「今のでまだ分からなかったか…

豚はうぬの様に甘い者達に、

言い寄り同情を買う事で餌食にし、


もっと悪そう、強そうな者が居たら、

鞍替えする裏切り者ぞ。


弱者の皮を被った卑怯者なり…



わしも南蛮に来たばかりの頃、

こやつを哀れんでしまい同行し、

刀と路銀を奪われて、

龍人狩りの人間どもに売られかけたぞ。


まあわしの剣は刀で再生する上、

素手でも容易き相手だったが」



先生も昔は甘くて、

クップくんに裏切られたのか!?

もしや昨日の冒険者も、

そうだったから怒っていたのか!?



「でも殺す事は…」



「分からぬか大倉!?


こやつこそ我ら妖怪の、

醜くさおぞましさ!

妖怪の面汚しよ…


豚は愚か者ゆえ、

この程度で済んだが、


うぬが如何に真心を込め、

人から妖怪を守ろうと、


それに漬け込んで、

うぬを人に売る狡猾な妖怪は、

いずれも現れよう…」



「そんな…私はただ、

モンスターを守りたかったのに…」



「ではうぬはわしと会う前、

人に使役された式神とは、

どう戦っていた?」



「それは…ゴートがテイム解除したり、

再テイムしてました…」



「また傀儡頼りか…

確かに妖力で使役されたり、

飼われて日が浅いなら、

それで良かろう…


だが豚の様な日和見や、

あまりに長く人間に飼われ、

己を人と思い込んだ式神は、

妖力ではどうにもならぬぞ」



そんな…

人からモンスターを守りたい私が、

モンスターと戦わなくちゃいけないなんて…


あんまりだ…

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