ヤられる側のオーク
先生が言った事が気になりつつ、
翌朝道を四体で歩くと、
冒険者三人がモンスターを討伐でなく、
リンチしていた。
「やめて下さい!
三人がかりで女々しいですよ!」
「うるせえ豚野郎!」
「お前が女々しいと言うな!」
「こいつマジ我慢ならねえ!」
見ると豚獣人オークがやられている!
複数でヤる側の印象強いオークだが、
こんなパターンも有るのか…
やはりオークに自分、
冒険者にいじめっ子が重なり、
私は人斬り丸を抜いた。
兜を被っていても、
まだ割れないのだが、
鎖帷子なら貫ける!
私は十字軍風の戦士を、
後ろから心臓突き刺して仕留めた。
サワイは全身甲冑着た騎士を、
噛み付いて持ち上げてから、
炎を浴びせて蒸し焼きにした。
まだ兜割り、青い炎が出来ない、
未熟な私たちなりの人間退治!
私達はこれを、
ゴート魔法補助無しでやったが、
ゴート分の僧侶男を残した。
「氷結!」
僧侶男は一瞬で凍り、
ゴートが足で一回地団駄踏むと、
僧侶男氷像は崩れ落ちた。
オークはひれ伏して、
私たちに感謝した。
「助けてくれて、
ありがとうございます!
貴女達は何者ですか?」
「私は巷では、
ワイバーン使いと呼ばれているけど、
ゴーレムやドラゴニュートも使い始めた、
大倉栄子て言う狂戦士。
人間を滅ぼしてモンスターを守る、
旅の途中!」
「凄い!なんて男らしい!
まさに漢女!
僕も仲間に入れて下さい!
僕はクップて言います!
クップくんと呼んでね♪」
「喜んで!よろしくクップくん♪」
三体目の先生に続いて、
もう四体目の仲間!
戦隊ヒーローより怪人が好きで、
クップもかなり怪人側だが、
五人は三人、七人と同じく、
奇数だから一人中心にフォーメーションで、
並ぶと綺麗なんだよな…
四天王も厳密には、
薬師如来囲むから五人だし!
栄子四天王完成!
だがサワイよりクップくんに、
不満そうな仲間が居た。
先生だ…爪刀を抜いている!
「豚よ久しいな…」
「ひぃ!?僕このドラゴニュートに、
昔いじめられたんです!
栄子さん助けて!」
クップは私の背中に隠れた。
見た目的には私や先生どころか、
ゴートより大きく、
筋肉とか太さ的にサワイより強そうだが、
弱々しく震えている。
「大倉よ…その豚を哀れめば、
必ず後悔する事になるぞ…」
「どういう事ですか!?
稽古とかですか!?
こんな可哀想なモンスターを…」
「直ぐに分かる…
南蛮竜、傀儡、
大倉はこやつを必ず甘やかすから、
うぬらが気を引き締めよ」
そう言うと先生は離れて、
木陰で瓢箪の水を飲み始めた。