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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第一章 どの悪役令嬢より「悪役」令嬢
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具体的な剣の稽古

「ではまず、

うぬがどんな太刀筋か、

上段、袈裟、逆袈裟、突きを、

じっくり見せよ」



私は人斬り丸を抜き、

言われた通り上下、

右上から左下、左上から右下、

刺すの動作を行った。



「我流か…」



「分かりますか…?

そうです…

剣学びたかったけど学べなかったので、

我流でやるしか」



「切っ先がぶれておる、

傀儡妖術が無ければ骨を断てまい?

妖術無しなら鎧の隙間を狙ったか」



「はい…間接部や生身部分を、

なんとか…」



「我流で動き攻撃する相手の、

僅かな隙を払えたのは良い。


だが傀儡妖術無しで、

同じ斬撃が出来る様に修行だ」



「同じ!?無理無理」



あんな誇張された剣豪みたいな事、

出来る訳が…

斬れないから鎧や盾なんだろし。



「傀儡が何かの拍子で不在なれば、

うぬが危ういのは必定よ。


持ち方はこうで…振り方はこうで…

素振りしながら暫し待て」



そう言うと先生は、

何処かに走り去った。



言われた通りの型で、

上段素振りしていると、

サワイが炎中断して近寄った。



「姐御さっきちょっと、

ジジイに泣かされてませんでした?

許せねえ!」



「いやそれは…

言って欲しかった事言われたから、

嬉しくて涙ぐんで」



「それに今姐御の手、

ベタベタ触ってませんでした!?

絶対姐御と交尾したいんすよ!」



「そんな訳無いでしょ、

先生ドラゴニュートだからむしろ、

サワイのが種族的に有りなんじゃ…」



「うえー!ジジイと交尾なんて、

考えただけで気持ち悪い!

でも吐き気有る方が、

青い炎吐けそうな気がして来たっす!」



「戻るまで練習続けましょ」



それから暫くして先生は、

四つの西洋兜と二本の木刀を持って、

舞い戻ってきた。



西洋兜は何処かの戦場で拾ったのか、

血と泥にまみれて汚く、

逆に木刀は今削って作った様な、

新品の綺麗さが有った。



「先ずはこの木刀で、

わしに打ち込んでみよ」



「竹刀とかじゃないんですか!?」



「この辺に竹が有ると思うか?」



「なるほど…では!」



私は精一杯打ち込んだつもりだったが、

先生は不満げな表情で受けていた。



「どうした?戯れているのか?

先ほどの素振りや人間どもには、

こんな腑抜けた剣ではなかったが」



「でも…」



「ああそうか、

わしすらもそなたが言う、

人間から庇護すべき妖怪か…

ならばこれならどうだ?」



先生が木刀をゆっくり振ると、

東洋龍の頭は白髪や髭が長い、

世界的時代劇俳優の晩年みたいな、

威厳有る人型のお爺さんとなった。



「憎き人なれば、

存分に打ち込めよう」



「ありがとうございます…

先生教え方上手いですね」

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