ドラゴニュートの侍
スフィンクスに疑問を抱きつつ、
道を進むと声が聞こえた。
「見ろよ!新しいドラゴニュートだぜ!」
「モナカ王国のドラゴニュートは、
俺たちが狩り尽くしていたと、
思っていたぜ!」
「見慣れねえ格好だし、
東方種かな?」
「…」
ガラの悪そうだが強そうな、
四人の冒険者の向かいには、
笠を被って和装で大小刀を差した、
私くらいの身長のドラゴニュートが居た。
和風だから龍人と呼ぶべきか?
袴から先が扇状の尻尾が伸び、
草鞋を履いているが、
足が逆関節なの格好良い…
私は獣ならではの逆関節に憧れ、
ドハワールドではサワイや、
三つ首竜サキュバス惚れた…
小六病時代つま先立ちで過ごしたが、
しんどいから直ぐ踵落としした…
いや逆関節の話は置いといて、
この状況は緊張感有る…
「どうするっすか?
あのドラゴニュートも助けますか?」
「いや…あのドラゴニュート、
隙無くてただ者でない気がするから、
隠れて様子を見ましょう」
私達は茂みに隠れて、
もう少しROM専してみる。
「ドラゴニュートの体は、
金になるからな…
東方種なら一生遊んで暮らせるぜ!」
よく聞く割に、
一生遊んで暮らせる金が、
具体的に幾らか一切分からない。
だが戦士の男が槍を、
猟師の男が火縄銃を持って襲い掛かる!
この世界一応銃有るのか!
「吉田流剣術、草莽崛起」
するといつの間にか、
ドラゴニュートは戦士と猟師の後に出て、
刀を右手に持っていた。
「なんだ?」
「うわああ!?」
戦士と猟師の体は、
振り向いた勢いで回転する様に、
上半身が斬り落とされた。
「あのジジイぱねえ!」
サワイも驚いている、
てかお爺さんなんだな!
「やべー!」
「逃げろー!」
残り二人は逃げ出したが、
ドラゴニュートは、
陰陽四象八卦の魔法陣を出した。
ゴートや他魔法使いなど、
モナカ王国の魔法は六芒星にヘブライ語風や、
五芒星にルーン語風が多かったが、
こっちは見覚え有る…
ドラゴニュートは東洋魔法陣を、
洗濯機の操作パネルの様に、
軽く爪先で操ったり、
DJの様に羅盤を回した。
「吉田流妖術、水風井」
「うわー!?」
逃げた二人の体は、
水風船の様に破裂した!
相手の体内の水分子を操った、
殺傷力抜群の水魔法か!?
「あんな水魔法見た事無いだ…
ウンディーネの力借りてなかっただ…」
ゴートも驚いている。
「そこの三体何やつじゃ?出てこい!
殺気は無いから、
仲間では無さそうであるが」
私たちは、
大人しく茂みから出る事にした…