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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第一章 どの悪役令嬢より「悪役」令嬢
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チェスト名乗り口上

こちらがアイテムボックス内に陣と知らずに、

向こうは広い荒野に陣を張った。



「ゴート先ず転位魔法で、

水魔法使い達の心臓を、

全員同時に体の外に転位させて」



「心臓をだか!?」



「そう、あくまで全員同時よ、

時間差とか有ったら、

治癒魔法で回復されかねないから」



こうして水魔法使い達は、

兵士どころか本人達すら、

気付かぬうちにハートが飛び出た。



「そしてマーク軍の陣の地底に、

サワイを転位させて。


疲れるほど深くもなく、

気付かれるほど浅くもなくね」



「へへへ()ってやるぜ」



「チェストエマの街!」



「チェストエマの街!」



これは鹿児島や示現流とは、

縁もゆかりも無い私が思い付いた、

「焼き尽くせ」を意味する隠語である!



サワイは意味をはっきり分からぬまま、

ノリで復唱しながら地面に転位された。



最近あまり潜らせてなかったが、

やはりサワイのテンション一番上がるのは、

憧れのサンドワームみたいに、

地面を掘削である。



「ギシャー!」



「うわー!?」



サワイは地底怪獣よろしく、

土埃を上げながら出て、

上に居たマーク軍兵士や馬を吹き飛ばした。



「射て射て!」



兵士達は弓や弩で、

矢をサワイに浴びせるも、

当然ゴート防御魔法で効かない。


そしてエマの街でやりたかったであろう、

所構わず炎を吐きまくり、

尻尾で弓兵やテントを凪払いまくり、

陣を火の海に変えた。



ゴートの蒸発させる炎魔法だと、

高威力過ぎて恐くないので、

やはりワイバーンが火を吹く心理的恐怖を、

与えるのが良い。



「次はマーク軍司令官のテントだけど、

司令官の首筋に刀振れる様な、

横長の転位魔法ゲート出して」



「分かったんだな!線!横!転位門!」



「チェストドハワールド!」



「チェストドハワールド…?」



これも前述の私が思い付いた、

「皆殺し」を意味する隠語である!


ゴートは私が詠唱した謎の呪文に、

疑問を抱きながら復唱した。



司令官の首をはね、

髪を掴んでテントから出ると、

兵士や騎士達がパニックになっていた。



「水魔法使い達はどうした!?」



「既に全員死んでます!」



「司令!あっ!?」



既に私が大将首を取り、

チェックメイトな事に気付いた。


そして今まで必死で出来なかったが、

密かに考えていた名乗り口上…


西洋では鉄砲で廃れつつ、

日本では舞台の演出として、

現代の特撮まで独自進化した事を叫んだ。



「やあやあ!遠くの者は音に聞け!

近くの者は目にもの見よ!


我なるはワイバーン使いにして、

ゴーレム使い…人を滅ぼす者、


大倉栄子!


どの悪役令嬢より『悪役』令嬢!


この(つるぎ)は怪物たちの祈りだ!

この心は貴様らを滅ぼす牙だ!


いざ尋常に滅びよ!人間ども!」



普通は剣を牙に例え、

心を祈りにしたがるものだが、

敢えて逆にして印象を残す。


この文脈なら魂のが、

力強い感じがするのだが、

心にした辺り私にも微かに、

女子力有る事を察して欲しい。

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