ゴーレム攻略
『人斬り丸魔守りん!?
変わった剣名だなあ…』
「因みに私は人間ですが、
モンスターを守る為に、
人間を滅ぼす旅をしています。
勇者パーティなら人間の味方だから、
いずれ貴方達の仇と、
対峙する事になります…」
『そうなのか!?
確かにゴブリンを人間から守る人間なんて、
珍しいと思ってはいたが…』
『姉ちゃんが俺らの仇を…』
『あんた弱そうなのに、
出来そうな気がするぜ!』
「今のレベルでは無理ですが、
いずれ…」
『俺らの可愛い魔守りんは、
姉ちゃんの変わった冒険の、
相棒になってくれると思うぜ!』
この人斬り丸の代金は、
裏切りドワーフの命で後払い…
舐められたら殺す鎌倉JKの私には、
ピッタリかも知れない…
『じゃあ今度こそ、
俺ら冥界行くからな~』
『はい解散解散!』
『ゴートばいばい!』
『さよなら~』
今までドワーフ男霊の後ろで黙っていた、
ドワーフ女子ども霊は男以上に、
別れも潔く成仏して行った…
ドワーフは人間かモンスターかと言われたら、
ゴブリン以上に人間寄りではあるが、
全体的に気っ風の良い粋な亜人の様だ。
「さて話は済んだし、
私たちは行くわ…」
私はサワイを連れて、
工房から出ようとする。
「待って!オラも連れてってくれ!?」
ゴートが勇気を振り絞る様に、
私を呼び止めた。
「仇討ちは無理しなくても、
私たちがいずれ…」
「確かにドルゼは恐いだ…
でも何であんな事したのか、
会って聞きたいだ!
それに読んでない本も、
気になるだ…」
ゴート攻略成功!
無理強いして連行するより、
本人の意思で決断が、
何より大きいのだ。
「おぉ本当にボスを連れ出した!」
「すげえ!」
扉の外で心配そうに見ていた、
ガーゴイル、ケルベロス、スプリガン、ゴブリンも、
感激してくれた。