ゴーレムの体重より重い悩み
「オラが帰ったらドワーフがここだけでなく、
最下層の居住スペースの女子どもまで、
皆殺しにされたんだな!
ゴブリン達曰く、
ドワーフのドルゼが裏切って、
ダンジョン出て勇者パーティに入ったって…
あの時オラがケルベロスやスプリガンと、
ここに留まっていたら、
あんな事にはならなかった筈なんだな!」
なるほどドワーフ皆殺しと言う割に、
ゴブリンの集落など、
他モンスター被害見当たらなかったのは、
内部からの犯行だったからか。
ダンジョンは冒険者の人間など、
外部から内部に攻め込まれる対策はしても、
内部から外部は、
封印とかでもない限り想定していないか。
きっとガーゴイルやゴブリン達は、
そのドルゼって裏切りドワーフが、
普通の外出と思って警戒しなかったな。
いやいや!何関心しているんだ…
私はモンスター専門探偵や警察でなく、
カウンセラー!
前逃げた犯人より、
今目の前のゴーレムが相手!
しかし同族皆殺しにして、
異種族と居る点で、
ドルゼて裏切りドワーフは、
私に近いから微妙に同情し辛いぞ!
ドルゼが他ドワーフと、
何が遇ったかが気になった!
いやゴートの同族、
つまり他ゴーレムは見当たらないから、
ゴートも異種族と居る側か?
はみ出し者繋がりで、
サワイのが口説き易かった…
いやサワイもサンドワーム憧れる点のみ、
私は同意し切れてないまま、
尊重している…
「それはとても辛かったね」
「うっうっ…」
相談者が相談相手に言う、
鉄板同調ワードを取り敢えず言ったが、
次はどうしたら…
メタルゴーレム涙腺は無い、
むしろ有ったら錆びるが、
泣いているぽい感情表現はしている…
愚痴は言うだけ、
涙は泣くだけでも十分か?
いや人間はそれで満足しても、
ゴーレムはどうなんだ?
言語力高くて会話出来ても、
モンスターと感覚ズレ有るのは、
サワイで散々学んだ事じゃないか。
「ドワーフ達はきっと、
オラを許さないんだな…」
「きっと?ドワーフの霊がそう言ったの?」
「夢の中ではいつも殺害直後の姿で、
オラを責めるんだな…」
「ちょっと待って、
それ貴方の夢の中であって、
現実のドワーフ霊じゃないわよね?
死霊術か降霊術とか、
幽霊と話せる魔法は使える?」
「使えるけど…」
やはり罪悪感のあまり、
本人達の霊に責められる事を恐れ、
話せるが話してない様だな。
「じゃあ今思い切って、
ドワーフ霊達と話してみましょう」
「でも…」
「大丈夫!私が弁護するから!
私はモンスター専門弁護士でもあるのよ」
また即興で妙な肩書き捏造してしまったが、
とにかくゴートの味方になりたかった。
サワイには物理的味方だが、
ゴートには精神的味方だ。