自分たちの設定説明
「あの私、
この世界に来てまだ浅いので、
地図か何かで説明してもらえませんか?」
するとメタルゴーレムは、
積まれた棚から埃を舞わせながら、
二枚の地図を取り出した。
「この世界はドハワールドで、
君が来たのは、
このアダムワールドなんだな」
異世界だから特別な名前は分かるが、
現代日本含む私の世界まで、
特別な名前有ったのか!?
まあこのドハワールドから見れば、
向こうが異世界だしなあ…
アダムとイブの子孫の世界だから、
アダムワールドて名前なのか?
「この女神様が居る天国と、
魔神様が居る地獄合わせた冥界は、
ギャレワールドて言うんだな」
天国と地獄一纏めにするとは、
なかなか乱暴ではあるが、
世界が三つか…
パラレルワールド盛りまくった、
集大成的なアニメや特撮増えた中、
ずいぶんと控え目だなあ…
「因みにこの地図は世界三つだけだけど、
オラのアイテムボックスの、
グラウンドワールドも有るから、
厳密には四つなんだな~」
「え!?アイテムボックスが、
もう一つの世界!?」
メタルゴーレムが宙を開くと、
そこには白い広大な空間が広がり、
スクラップ置き場の様に、
物が沢山有った。
私の名字より遥かに大倉だ!
「広過ぎてオラも、
どの位の広さかわかんないから、
あの辺りしか使ってないけど」
空間は作画楽そうだが、
物は大変そうだった!
机から出たし、
猫型ではないが、
あの未来子守りロボさながらだ!
このゴーレム欲しい!
「広いならそこ拠点にして、
転位魔法で奇襲や退却したら、
敵は手出し出来ないんじゃ…」
「ムッ!?」
しまった!アイテムボックス活用法を、
考えるあまり、
地面から奇襲や避難にプライド有る、
サワイを傷付けてしまったか!?
「いやでもそのアイテムボックス、
真っ白で落ち着かないかなあ…
なーんて…」
「…」
一応フォローしてみたが、
これでは足りないだろな…
話題を変えよう…
「それと貴方はそこに空間繋げる以外にも、
魔法とか使えるんですか?」
「まあこの部屋に有る、
魔導書に書いてある分はだいたい…」
「じゃあ全ての人間皆殺しにする魔法や、
全てのモンスター幸せにする魔法有ります!?」
「そんな魔法無いんだな!
仮に有ったら幾ら魔力有っても足りないんだな!
てか前者なら君も死ぬんだな!」
私一人の命で全人類道連れなら、
コスパ抜群だと思うのだが、
さっき散々サワイやゴブリンに自己犠牲批判されたし、
このゴーレムなら間違いなくビビるので、
口にするのは辞めとこう…
「じゃあ人間をモンスターにする魔法は!?」
「それは有るには有るけど、
おらのレベルではまだ使えないんだな…」
チッ!惜しいな、
人間やめれるチャンスだったのに、
ここ石仮面とか有るかな?
いや吸血鬼は人間ぽすぎるから、
強くても私にはハズレモンスターだが…
「てかレベル!?
それどうやったら見れますか!?」
「念じながら手で、
宙を下ろせばホラ…」
ゴーレムが前肢ぽい太い腕で、
宙を下ろすとステータス画面が出た。
「ゴートLv223…種族メタルゴーレム、
属性鉄、魔…HP324、MP560…
やはり魔力多いんですね…
職業魔法使い、鍛冶職人…」
私もサワイも物理中心で、
冒険者パーティの魔法使い羨ましかったから、
なおさらこのゴーレム欲しいなあ…
それにしてもゴートか、
地球が止まるSF洋画に出る、
宇宙人を守るロボットの怪物と同じ名…
私が二番目に味方にする、
メカ怪獣にはピッタリではないか!
「君はこうなんだな」
するとゴートが操作し、
私のステータス画面が出た。
「大倉栄子Lv10…少ないけど、
そこそこ戦ったしなあ…
種族人間…属性闇…確かにそうだけど…
HP100…MP0…ゼロ!?」
「MP無いとは珍しいんだな~
やっぱアダムワールドの人なんだな~」
確かに私、魔法の類い使えないけど、
剣と魔法のドハワールド来たからには、
使いたかった…
使いたい魔法はさっきゴートに聞いた、
人類皆殺し、怪物笑顔、自分怪物化だ!
「職業狂戦士…狂戦士!?
選んだ覚え無いけど!?」
まあ人間狩ってモンスター守るなら、
バーサーカーちゃあバーサーカーか…
聖杯を巡る大会なら私は真っ先に、
強そうな他職業英雄スルーして、
アサシンみたいにプレイヤーだけ狙うが…
「サワイLv22…種族ワイバーン…
属性地、炎…HP101…MP15…職業戦士、土方…
へっへっへ!俺姐御より、
全体的にレベル上なんすね~」
サワイは散々嫉妬する側だったが故に、
自分がステータスで私に、
嫉妬される側になった事に気付かない…
てかサワイも絶対選んでないが、
職業て女神が勝手に当て嵌める様だ…
「それと今画面に出なかったですが、
ゴートさんは性別とか有るんですか?
うちのワイバーンは雄と思ってたら、
雌だったんですが…」
「ドワーフ達はオラを、
せがれ、息子と呼んでたから、
多分雄なんだな~」
なるほどゴートは本当に男の子か、
言われてみるとサワイは、
少年ぽい低い女の声で有るが、
ゴートは高い男の声に聞こえる…
てかゴーレムは無機物なら、
脊椎動物であるワイバーンより、
私から遥かに遠いな…
サワイは獣ゆえに、
裸が恥ずかしい概念理解出来なかったが、
ゴートはどうなんだろう?
しゃがむフリして、
少し見せてみるか…