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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第四章 恐ろしき破壊者
259/263

モンスターの為に生き、モンスターの為に死す。

核戦争は直接的な、

爆風や放射能は勿論だが、


地球を氷河期にする、

核の冬が最大の脅威だ。



核シェルターに逃れた人々に、

最後の投降を呼び掛け、

妖怪変化する者は生かし、


逆らう者はその場で、

防寒装備した怪物の騎士団が、

その場で殺す。


アダムワールド新しいインフラは、

核の冬終えて春なってからだ。



アダムワールドの、

元人間難民キャンプに、

私は青い作業着で、

怪物の四天王と訪れると、


ラピスちゃん女王らケット・シーは、

炊き出しを行っていた。



「なにこの娘可愛いー!」



「女王なの!?」



「寒いからこれで、

しっかり温まってね♥️」



かつてお粥の為に、

娼婦になったラピスちゃんが、

雑炊を振る舞う様になるとは、

凄い進歩だ…


勇者や女神には、

暴力的な事を強いてしまったが、

これこそラピスちゃんに相応しい…



すると雑炊の列から離れた場所に、

小さな肉食恐竜の子どもが居た…


扶桑式妖怪変化でなく、

魔女式ガチャ魔法でか…



「きみ、どうしたの?

お母さんは?」



私が両膝付いて話し掛けると、

恐竜の子は泣き出した。



「わたしのおかあさんは、

だいまおうに…ころされました…」



その哀れな姿に、

勇者キョウとお母様が、

私への復讐の為に、

転生した様に思えた…



体から火薬の匂い…

爆弾を飲み込んでいる?



「うわー!」



恐竜の子は私でなく、

サワイに向かって走った。


恐竜の子は小さいながらも、

私たちをよく理解していた…


私に直接ならば、

ゴートや若本の防御結界が、

私を守っただろう…


だがサワイは…



「だめ!」



私も走って、

恐竜の子に覆い被さった。


サワイを守る様にも、

この子を守る様にも…



「姐御!?」



「栄子お姉ちゃん!?

死んじゃやだー!」 



「自爆テロだか!?」



「この年齢では、

山姥の儀式懐柔出来なかったか!?」



身体中が熱くて痛いが、

私はなんとか最後の別れを…



「人に産まれ人を呪い…

それでもあなた達に祝われて良かった…」



「何言ってんすか!?

姐御は誰よりモンスターでしたよ」



ありがとうサワイ…

貴女はいつも欲しい言葉をくれる…



「治癒魔法が追い付かないだ!

でも栄どんをアンデッドにしたくないだ!」



ゴートごめん…

繊細な貴方に残酷な事ばかりさせて…



「今までよく頑張った…栄子」



あぁ先生…最後は下の名前で、

労ってくれるんだ…



二つの人類を滅ぼし、

三つの世界を滅ぼし、

勇者や女神まで滅ぼし、


二度とモンスターが経験値や英雄譚の、

犠牲にならない世界を創れた…




モンスターの為に生き、


モンスターの為に死ねた…


悔いの無い…

楽しい生涯だった。



ー終わりー

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