運営女神の王道筋書き
「えっ!?何!?」
「久しぶりね、女神様…」
若本転位ゲートで、
転生した時以来のギャレワールド…
あの玉座で女神ぽい女神は、
怪物の四天王を引き連れ、
舞い戻った私に、
驚いていた。
女神は勇者ほど、
はっきりスペック分からない上に、
若本に聞いても、
「ふふふ、これから分かります♥️」と、
はぐらかされるので、
文字通りぶっつけ本番だ!
「栄子…まさかあの時与えた、
モンスター会話能力で、
ここまで暴れるなんて…
大魔王になるなんて…
会話能力だけなら、
直ぐ死ぬと思ってたのに…」
「私も会話能力は地味と思ってたけど、
今思えば無敵のチート能力だったわ。
勇者も倒せて人類滅ぼせたし…」
「何でキョウ殺すのよ!
モンスター好きな貴女は、
実は恐竜なキョウと心を通わせ、
共に新魔王バルバトスに挑む、
モンスターテイマーの予定だったのに!
タイトルは『異世界に転生した私、勇者♀に死ぬほど愛されてます』よ!」
「勇者のメンタルケア、
私に丸投げしないで!
何なのそのタイトルは!?
確かに死ぬほど愛されたけど!
貴女の筋書きでは、
勇者以外のモンスター全体が、
犠牲になるでしょ!」
「何言ってるの?
モンスターなんて普通、
やられ役でしょ?
経験値上げる為の犠牲でしょ?
貴女もゲームやるなら、
特撮やアニメ見るなら分かるでしょ?
あ、妖精とコボルトは、
可愛いから生かしとく用モンスターね♥️
それを逆に人間を退治だなんて…
人殺し!人斬り!」
「その普通に挑むために、
私はここに来たのよ…
人間だけでなく女神も退治!
モンスター全体のために!」
「なにワケわかんない事言ってんのよ!?
だいたい貴女が使役するモンスター…
何でワイバーンが地面潜るのよ!?
普通ワイバーンは、
ただの飛行手段でしょ!?」
「あぁん?俺飛べる様になっただろ」
「ワイバーンが鳥になる訳ないでしょ!
マスコットにも人間にもサンドワームにも怪獣にもならない!
メタルゴーレムもただの壁役!
自分で変なゴーレム作らない!
アイテムボックス広過ぎでしょ!」
「作りたかったから作っただ!
世界や生命作った女神様なら分かる筈だ!
あの広さは色んな物作るのに、
便利だっただ」
「だからと言って、
栄子やウニのゴーレムなんて、
頭おかしいでしょ!
勇者のゴーレム量産するなんて!
ドラゴニュートは…」
異端児な私、サワイ、ゴートを順番に、
想定外と文句を言い続けた女神だが、
先生を見て口ごもった…
「貴方は…そこまで考えてないわ…
何でモナカ王国来たの?」
「わしも考えぬか!
来たかったから来たのだ!
てかうぬの筋書きだとしても、
わしは栄子の剣術指南役で、
今と同じ役割出来ぬのか!?」
「だってキョウだって、
竜の剣術指南役なのよ?
貴方より強いし手っ取り早いでしょ」
先生は一番イレギュラーだった様だ。
まあ西洋ファンタジーなのに、
和風枠は異質だしなあ…
「ぐぬぬ…
てか女神も魔神と同じく、
扶桑で伝わる姿と違うな…」
女神は私だけでなく、
怪物の四天王たちも、
ベタな筋書き通りにしたかった様だ。
当然それを受け入れる、
四天王ではない…
そして女神は誰より強く、
若本を睨み付けた。