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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第四章 恐ろしき破壊者
232/263

滅び去った勇者

それは白亜紀末期の日本だった!


夢の中で私は、

ネズミの様に小さな当時の哺乳類、

トリコドンだった…


トリコドン目線で見る恐竜達は、

あまりに大きく恐ろしく、

まさに恐ろしい竜だ。



この時の恐怖心や憧れが、

後の龍やドラゴン伝承になった説も、

納得出来た。


色んなモンスターが居る中で、

爬虫類モンスターは別格だからだ。



哺乳類は体温維持する為、

多くの餌を必要とする…


お腹が空いて、

倒木の下から出ようとすると、


なんとティラノサウルスが、

三頭も待ち構えていた!



その大きさでは明らかに、

私はおやつにもならないのに…


日本にティラノサウルス科の、

化石が発掘されたと聞いたが、

まさに暴君竜だった!



倒木を蹴り飛ばすのも、

時間の問題…



「ガァアァァアアア!」



「キュッ!?」



だがそこに、

一頭のフクイラプトルが現れた!


フクイラプトルは自分より、

大きく多いティラノサウルスに立ち向かい、

威嚇して追い払ったのだ。


そして屈んで、

鉤爪が並ぶ手を、

私の前に差し出した。



私はこの、

強く優しいフクイラプトルを知っている!



私はフクイラプトルの手から、

羽毛が生えた頭に乗り、

一緒に冒険する事になった…


山や川や谷、海も見たり雄大な自然を、

トリコドンでは得られぬ目線で、

いつも眺めていた…


食べ物もフクイラプトルが、

狩った草食恐竜を食べる…


私の大きさでは、

食べ切れぬ量だった…



しかしある日隕石が落下し、

爆風に巻き込まれたところで、

目を覚ましてしまった…



「キョウ…

またキョウだけの夢を…」



これは私の先祖?


いや前世の記憶?


私は実はアダムワールドで、

6600万年前既に、

勇者に出会っていたのだろうか?


あの隕石ももしかしたら、

女神がキョウを勇者にするため、

他の恐竜もろとも、

滅ぼしたのではないか?



恐竜が滅ばなければ、

哺乳類は反映しなかったし、


人間好きな女神なら有り得る…



「また…キョウを救えなかった…

ごめんなさい…」



勇者が死んで更に、

私の中で大きくなっていく…


勇者を崇められない様に、

お墓を作らなかったのに…


今、私が一番勇者を、

崇めているのではないか?



思えば私は、

勇者が好きだったのかも知れない…



最初ヤバいストーカーアマと思ったし、

他モンスターを、

傷付け続けたのは許せないが、


神様に殺されて、

アダムワールドから一人ドハワールドに来て、

異種族のために同族を殺し続けた…


立場や強さは逆だが、

勇者はもう一人の私かも知れない…



『僕も戦うのは好きじゃない』



最初会った時言った台詞…

私は好き好んで人間を殺せたが、

勇者は嫌々だったのではないか?


あの和平案も、

当時私はお花畑と思ったが、

私を討伐せず、

他モンスターとも仲良くするため、


勇者なりに、

必死に考えた案ではないか?



『こう言ったら君には、

侮辱なんだろうけど、

君はモンスターにとっての勇者なんだ』



あの時私は、

言葉通りモンスター全般と思った。


だが実はこれは、

モンスターとは自分の事で、

キョウにとっての勇者が、

私と言う意味ではなかったか?



手を伸ばしたのは、

私もゴート結界も攻撃判定したが、


実は私に、

助けを求めていたのではないか?



「キョウ…キョウ…うっうっ」



私は自分が更に追い詰め、

死なせてしまったモンスターで、

後悔の涙を流した。



あの時バルバトス王に押し付けず、

勇者の希望通り、

私が殺してあげた方が、


勇者も幸せな最後だったのではないか?

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