世界征服の具体的手順
「今貴女に飲ませたのは、
抗女神反転剤…
この前落とした羽毛から作ったの。
貴女の体に流れる女神の祝福を、
全て呪詛に転じたわ…」
「なっ!?そんな馬鹿な」
誰より女神に加護されていた筈の勇者は、
今誰より女神に呪われてしまった。
「貴女の体から女神の祝福は、
どうしても無くす事は出来なかった…
だから逆流させる事にしたの。
今の小さな錠剤は、
あらゆる魔法、鍛冶モンスター動員して作らせた、
ウニゴーレムを越える最強兵器よ。
薬は飲むに限るぜ!勇者さん」
「君が僕のためだけに、
友達と協力して作った、
愛情いっぱい必勝手料理と言う訳か…
効いたよ…
どの毒よりも…」
計算では即死の筈だったが、
勇者まだお喋り出来るのか!?
抗女神反転剤を、
バレンタインチョコみたいに!
人々の応援で勇者キョウは、
HP3201→9998まで回復したのを、
人々、王、仲間殺害の精神攻撃と、
抗勇者反転剤により、
HP9998→1まで一気に削ったが…
もうHP残り1なのに、
その1が固過ぎる…
まるで抵抗する様な…
「大魔王陛下!」
するとレトリー内務大臣も、
私に小さな錠剤を投げ込んだ。
今度はバッティングせずに、
人間態に戻ってからキャッチした。
「両方ギリギリで完成したから、
今だったけど…
もちろん抗女神反転剤の、
解毒剤も作ってあるわ…」
そして若本が出した、
複数の魔法の鏡には、
世界中の戦況が写し出されていた。
「あああ…」
「さっき勇者が撃った攻撃魔法…
実はサワイは、
ただ避けただけじゃなかったの…
敵国モナカ王国、ラミスタン、蓬莱の、
要所に当たる様に、
上手く誘導してたのよ」
私達はただ、
勇者から逃げて疲れさせた訳ではない…
サワイの飛行特訓成果により、
把握したそれぞれ主要都市、軍事拠点、訓練所、工業地帯に、
勇者の攻撃魔法を命中させた。
私とサワイしか見えなくなった勇者は、
避難所など一般人も、
攻撃魔法で大量虐殺してしまった事に、
今ようやく気付いた。
「勇者キョウ貴女は、
私の配下にはなってくれなかったけど、
私のアグネアにはなってくれたわ。
ありがとうキョウ、
ドハワールドを破壊し尽くしてくれて。
これで世界は私のもの…
人間もさっき応援してたのを最後に、
全て滅ぼしたわ」
無論勇者利用破壊だけで、
敵国が全て滅んだ訳ではない…
対勇者戦には敗北フラグゆえ没にした、
ゴーレム勇者は、
それまで味方だったのに攻撃してくる、
精神的効果はウニゴーレム以上ゆえ、
対人戦には正式採用された。
錬金術ゴーレムで大量生産のため、
身長勇者の2→1.5倍、
強さ10万→1千倍、
防御力100万→1万倍と、
性能は大きく下がったが、
無敵戦隊以外には十分過ぎた。
蓬莱軍も机の漫画に対抗すべく、
短期で道士兵に更に厳しい修行や、
仙人兵が戦場で気力注入出来る宝貝を、
練丹術傀儡で大量生産した…
だが扶桑に机の漫画や、
錬金術ゴーレムを与えた事で、
扶桑も独自改良して、
机の漫画よりやる気無くす超兵器、
机のゲームで更に削った。
おまけに天狗の隠れ蓑を、
量産、改良して被り、
姿だけでなく気を隠して、
道士兵が上空から捕捉出来なくした。
しかもシンドでは、
アグネアもろとも完全破棄された、
ヴィマナは天浮舟として、
扶桑の正倉院をよく探すと、
設計図書かれた竹内文書を一冊だけ見つけた。
これに上述した隠れ蓑を組み合わせ、
なんと剣と魔法の異世界に、
ステルス戦闘機である、
忍者浮舟を作ってしまったのだ。
更にオスプレイの様に、
大量に足軽を蓬莱に送り込める、
天磐舟や、
栄系四七から、
扶桑鬼に太鼓叩かせ充電する、
レールガンこと雷鉄砲まで、
独自開発、大量生産していたのだ。
これらを途絶えたシンドに、
仏教みたく逆輸入したのも、
VSラミスタンにも良かった。
無論これらは危な過ぎる上、
絶対私たち怪物帝国に使って、
次は怪帝VS扶桑の戦争になるので、
戦後直ぐに全て若本に没収させ、
アグネア、ヴィマナの様に、
設計図も記憶も全て消去するが…
因みにラミスタンは、
下から撃墜出来る魔法の絨毯より、
願いを叶えたら、
戦況あっさり覆せるジンが厄介だが、
シンド側は法術で事前に、
ランプや指輪を擦れない様に、
イガイガにする呪いをかけ封じた。