最終決戦開始
美しい夢に動揺しつつも、
醜い現実が始まる…
私の中でどんどん、
勇者の存在が膨らんでいるが、
私たちは愛し合わず、
殺し合う宿命なのだ…
互いを自分の陣営に引き込みたい、
我が儘な女の子同士の…
「ホーブ王、
私は本当に勇者に勝てるのよね?」
「はい、見えない目で見えます…
大魔王陛下が勇者を倒し、
ドハワールドを手に入れても、
落ち込んでいる未来が…」
「吉兆か不吉か、
分からない予言ね…
今の神託与えた若本!
本当でしょうね?」
「はい、今日この一戦の為に、
お嬢様をこの世界にお招きしました」
「第一次、第二次作戦では、
そんな重い事言わなかったわね…」
モンスターを守る元人間と、
人間を守る元モンスターの、
決戦が始まるのだ…
「姐御!この戦いが終わったら、
また一緒に地面で…」
「ダメー!戦う前に、
小さな夢語るのは!
それはアダムワールドでは、
死亡フラグと言う恐ろしい呪詛よ!
切なさ出す演出!」
「そうなんすか!?
全然わからないすけどサーセン!
じゃあどんな夢話せば良いんすか?」
「次は女神倒して、
アダムワールドも制圧とか大きな夢や、
胸ポケットに何か入れたら、
生存フラグ、祝福フラグて祝福なるわ」
「俺ワイバーンだから胸に、
ポケットとか無いんすが…
まあ全部ヤっちまいましょうぜ!」
「穴はこう…アダムワールド人類も、
滅ぼしてからよ!」
怪京城門前で、
怪物の騎士たちとお喋りしていると、
魔法使いドルゼの粗い転位後、
徒歩で無敵戦隊が向かって来た。
今回は開き直ったのか、
勇者キョウは最初から、
フクイラプトルの姿で、
乗馬場の馬みたく仲間と現れた。
「栄子、今日はどんな事して、
遊んでくれるのかな?」
口振りこそは、
今までと同じ舐めプだが、
殺気は最初以上に濃厚で、
本気で私を殺す気だ!
尾先に女神の剣を構えている!
でも今の私は負けないぞ!
魔法使えるモンスター全員に、
強化魔法をかけてもらって、
Lv6954、HP7000にまで、
一時的に水増ししてもらった!
羽根の魔女越えた!
MPは2のままだし、
勇者にはまだ届かないけど、
勇者を削る方法は有る!
「サワイ!」
「姐御!」
私はガルーダ態になった、
サワイの首に掴まり飛び去った!
だが単に逃げた訳ではない…
「ワイバーン!貴様何処まで、
栄子を一人占めする気だ!?」
私が大好きで、
サワイが大嫌いな勇者は、
眼前のNTRれにカンカンになり、
計算通り追い掛けてきた!