6600万年の夏祭り
無敵戦隊とモナカ、蓬莱、トルキスタン…
それぞれの作戦を立てて、
再戦準備が始まった…
そして私は再びアダムワールドで、
勇者が転生する夢を見てしまった…
しかも今回は他モンスターもでなく、
勇者人間態のみだった…
鎌倉首狩で行われる夏祭り…
カルト教団打ち上げは癪だが、
花火は毎回綺麗で、
信者でなくとも出店が賑わっていた…
「君の町の花火、きれいだね…」
そう言って歩く勇者の浴衣姿は、
艶やかで花火より美しかった。
ドハワールドでの鎧に近い、
青みがかった配色だが、
羽根や鱗の模様も繊細で美しい…
髪を纏めて、
白いうなじが見えるのも…
女神の剣なぞではなく、
りんご飴を持っていて、
非常に平和だ…
「きれいね…」
「栄子きみは可愛いよ️
黒地をここまで可愛らしく、
着こなすなんて…」
ふと見ると私も浴衣姿だった!
これではまるで夏祭りデート…
勇者と親友か恋人じゃないか///
私たちはいつの間にか、
人け無い山の階段を上がり、
夜景と花火が見えるベンチに座った…
これもうロマンチック過ぎて…
「栄子、実は話したい事が有るんだ…」
告白!?告白だよね!?
何でこいつでドキドキするんだ!?
「実は僕、
人間じゃないんだ…」
花火が上がると同時に、
隣にフクイラプトルの姿が、
より鮮やかに照らされた…
「実は私も、
人間じゃないの…」
もう一発花火が上がると同時に、
私はニホンオオカミとなった…
「なーんだ!じゃあ獣同士で…♥️」
「キョウ…♥️」
三発目の花火が上がるとキョウと私は、
フクイラプトルとニホンオオカミのまま、
唇を重ね…
そこで目を覚ました。
「ヤバい…私なんて夢見てんだ…///」
私でもロマンチックな、
夢キュンを…
しかもよりによって相手が…