バラバラの作戦案
「俺も勇者ブッ殺す、
作戦有るっすよ♪」
サワイが破れた羽根を上げた。
脳筋DQNに見えて、
器用で本質突くから、
本当に頼れる妹分だ。
「扶桑と蓬莱の間アリランに生えた、
神檀樹の近くに居て、
ムカデが連れて来た、
プルガサリなら勇者に勝てるっす!
武器はだいたい金属だから、
それを喰うこいつは無敵っす!」
プルガサリ!?不可殺のあの!?
ミノタウロスや蚩尤みたいな、
牛怪獣ぽい印象有るが…
しかし若本が出した小さな木箱に、
海水と入っていたのはヒトデだった…
アダムワールド朝鮮語では、
確かにそうだけど…
これを見てゴートが、
怯え始めた。
「ひっ!そいつはおらも、
食べようとしていただ!
持ってこないでだ!」
確かに金属を喰うプルガサリに、
全身オリハルコンのゴートは、
物凄い御馳走だ…
「うーん確かに勇者も、
女神の剣使うけど、
生身でも強いし…
てか金属喰うならこんな木箱、
直ぐ破れそうだけど?」
「木はお口に合わないから、
削りたくないそうです」
「ZZZZ…」
寝ている…今は食料が無いから、
休眠中でこのサイズか…
「確かに凄く強そうだけど、
今は保留してこのままにして」
するとケイン参謀が、
再び挙手した。
「ところで勇者だけでなく、
モナカ王国自体は良いのですか?
スパイからの報告によると、
モナカが蓬莱やトルキスタンと停戦し、
同盟結んだとか」
ヤバい!最悪のシナリオだ!
蓬莱にトルキスタンまで!?
突出して強いモナカの無敵戦隊が、
全体的に強い道士兵連れて
更に魔法の絨毯の絨毯爆撃盛って、
制空権完全掌握したら、
今度こそ怪物帝国は終わりだ!
うちの同盟国のシンドや扶桑も、
頼りにはならない…
シンドはアグネア無いし、
扶桑は自国防衛に手一杯だし!
「いや…勇者、モナカ王国、蓬莱を、
全部一辺になんとかする方法…
思い付いた」
「えぇ!?」
「それはどんな!?」
「ここにもスパイ要るかもだから、
今はまだちょっと…
トルキスタンはまだ分からないし…
てかうちもスパイ居たの!?
私大魔王なのに初耳なんだけど!?」
「我々コボルトは飼育コボルト、
魔族は夢魔、
妖精は精霊がそうなので、
陛下が従えてからも継続してますよ」
そうだったのか…知らなかった…
百足屋が連れて来た蟻人も、
扶桑が私たち探る忍者かも?
むしろ先生もそうだったりして!?
南蛮で武者修行はただの口実で、
本当は蓬莱対抗に扶桑の後ろ楯になる、
私を探していたのかも?
いやいや自惚れ過ぎかな?
怪物帝国の大魔王なっても、
私は頼りない女の子のままだし…
「とにかく今日は解散!
ラピスちゃんとレトリー内務は、
モナカ王国と蓬莱に和平交渉して、
作戦纏まるまで時間を稼いで!
羽根の魔女は蚩尤と、
もっと勇者の羽根を研究!
ゴートは鍛冶モンスターと対勇者でなく、
対モナカ、対蓬莱のゴーレムに!
他はグッドフェロー、ドルゼ、バプテスマ作戦も、
それぞれ考えて!
若本はもう少し、
トルキスタンについて教えて」
「承知しました」
「サワイはガルーダ形態を、
もっと練習!
ビビった他獣モンスターも鼓舞して」
「えー!?鳥すかー!?やだー!
あいつらの相手も…」
「私の命任せられるの、
貴女しか居ないからよ♥️
私の可愛い怪獣将軍♥️」
「へへへ…そうすか♥️」
こうして第三次勇者討伐作戦は、
第一次、第二次ほどはっきりしないまま、
見切り発車した。