勇者を堕とす方法
そして怪京城会議室、
勇者対策本部で、
第三次勇者討伐作戦会議を開いた。
しかし今回は第一次、第二次と、
論点が大きく違う…
「今回の犠牲はウニゴーレムだけだけど、
前回より今回のが凹んだわ…
最大の理由は勇者も、
私が守るべきモンスターだった事…
正直まだ仲間にしたいと思いつつ、
殺さなきゃとも…」
人間に味方するモンスターは、
だいたい他のモンスターより強い…
それがヒーローだからであるが、
私の前に実際に現れたのが、
勇者キョウなのだ。
「栄子お姉ちゃんも、
勇者様と仲直りしたくなったんだね♥️」
やはりラピスちゃんが、
一番嬉しそうだ。
「でも勇者が出した条件が、
サワイと若本の命だなんて乱暴さ、
到底受け入れられないわ…」
「あぁ…そうだよね…
栄子お姉ちゃんにとって、
サワイお姉ちゃんと魔神様は、
大事な大事な二人だよね…」
勇者は平和なアダムワールド夢内ですら、
サワイと仲悪かったから、
共存方法が分からない…
勇者は人々に愛され、
力と名声に恵まれ順風満帆で、
何の悩みもない陽キャリア充と思っていた…
だが本当は司祭バプテスマに教育虐待され、
自分を殺して無理し続けても、
毎回踏み止まれてしまうが故に勇者で、
更に無理を続けてしまう、
孤独な綱渡りだったなんて…
同じモンスターである仲間、
戦士グッドフェローと魔法使いドルゼが、
一見理解者になりそうだが、
敵ドラゴンと間違えて攻撃された事、
体より心に深い傷になったんだろな…
戦士と魔法使いは反省している様だが、
深い傷は深い溝になっている…
そしてその勇者メンタルケアを、
私に丸投げしようとした、
女神許せない!
何で私が人間どものために、
他のモンスター全般を、
傷付けなきゃならない!?
人間なんてアダムワールドに腐るほど居る、
何でこのダイヤモンド鉱山で石ころの為に、
ダイヤモンド砕き続けなきゃならない!?
「まあ姐御と交尾するには、
この俺とお膳立てしてくれた、
魔神様が一番邪魔すからね~」
「ふふふ♪
サワイ様嫉妬されて、
嬉しそうですね♥️」
そうだ勇者は私が好きだからこそ、
サワイと若本が嫌いなのだ…
む、何か引っ掛かる…
この点何かに活かせる様な…
するとケイン参謀が、
再び真っ先に挙手した。
「怪獣将軍閣下と魔神様を守りつつ、
勇者を味方に引き入れる秘策有ります!
勇者はとにかく大魔王陛下に、
激しい恋慕を抱いてます…
つまり大魔王陛下が裸になり、
もっと発情させて正気を失わせ、
『交尾させてあげるから、
私に忠誠を誓いなさい』と、
言えば一発です!
敗れたと言えど、
サキュバスの攻撃は夢に、
かなり効果的だったらしいので、
御本人ならば!」
「あぁん?犬ふざけんな!
何で姐御が勇者に、
体差し出さなきゃなんねえんだよ!」
色仕掛けか…
確かにそれなら勇者は、
サワイと若本を忘れて、
私で頭いっぱいになるけど…
ケイン参謀頭良さそうに見えて、
三大欲求満たす作戦ばかりで、
発想犬っほいんだよなあ…
サワイ当然激怒で、
他の怪物の四天王、騎士も動揺している…
生物としての本能満たす故に、
冷静さ失わせるんだろうけど…
「確かに勇者食い付くだろけど、
私を押し倒した後で、
『いや僕の方に』な、
ヤり逃げ、開き直りパターンだろから、
却下よ」
恐竜態は言うまでもないのだが、
人間態も段々良く思えて来ているから、
私には色んな意味で危険だ///