魔神の盾
「それに魔神!
こうなったのは全て、
貴様のせいだ!
女神様の筋書きを邪魔して、
栄子を洗脳し続けて…
栄子を返せ!」
「返せ?おやおや勇者様、
随分おかしな事をおっしゃりますね~
アダムワールドのお嬢様は私のもの、
ドハワールドのお嬢様はサワイ様のものです!
一度でも勇者様のものに、
なった事がありましたっけ?
あ、勇者様と女神様の、
脳内での話ですか?」
「うわあぁあぁああぁあ!!!」
「勇者様も女神様も、
強いけどとてもお馬鹿さんですね~♪
人を憎みモンスターを愛するお嬢様が、
モンスターとは言え勇者様に、
与する筈無いでしょう?」
若本勇者には勝てないと言ってたが、
私をダシに言い負かしている!
戦闘は無理でも論破なら、
まさに話は別なんだ!
誰よりチートの勇者キョウも、
私と敵対する現実だけは、
どうする事も出来ない…
「魔神!元凶の貴様から殺す!」
勇者キョウは羽毛恐竜のまま、
尾先に女神の剣を巻き付け、
若本目掛けて襲い掛かる!
すると急に私の目の前に勇者が!
後ろに若本が現れた!
「お嬢様は私の盾です♥️」
主の私を殺したり弄んだり、
所有物扱いした挙げ句、
遂に私を盾にし始めた!
若本まさに魔神!
確かに勇者は、
紙一重で止まった…
「キョウにはそうでも、
あたしらには全くそうではないよ!
大魔王!魔神!
二人纏めて死ねええ!」
戦士グッドフェローは、
私に一切好感抱いてないので、
魔法使いドルゼ、司祭バプテスマともども、
容赦なく私に攻撃して来る!
だが何かが私を守った…
勇者キョウだ…
尻尾の女神の剣で、
グッドフェローの巨斧を、
両手で攻撃魔法と十字槍を、
防いでくれた…
「やめてくれ…栄子だけはやめてくれ…」
「勇者様も私の盾です♥️」
若本何て奴だ!
私を起点にする事で、
敵対している勇者まで、
自分の盾にするとは!
我がメイドながら恐ろしい…
味方で良かった…