表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第四章 恐ろしき破壊者
209/263

勇者になってしまった恐竜

「で、何でフクイラプトルが、

勇者キョウになったの?」



「…僕がこの、

醜くおぞましい姿だった白亜紀末期…

白亜紀中期に他のフクイラプトルは滅び、

僕は最後の一頭だった…


食べ物を求めて彷徨ってた時、

巨大隕石激突で、

僕は他の恐竜ともども滅んだ…」



勇者の死因隕石!?

令和から6600万年も前!

メイドトラックだった私とは、

スケールが違い過ぎる!


死因まで勇者!



「アダムワールド日本から来た、

多くの人間の転生者たちは、

人間ゆえに力に溺れ、

ベルゼバブ王やクロノス王に隙を突かれて敗れ、


人間ゆえの欲深さで、

ハイカー王の奸計に敗れた…


なので女神は過去を遡り、

人間以前のアダムワールドの覇者、

恐竜に目を付けたんだ…」



なるほど恐竜ゆえにゴートや魔族の、

人間を殺す毒は効かないのか…


ヨルムンガンドやヴァースキの毒は、

そんな次元ではないと思うけど…


人間より魔族に好感抱いたのも、

もしかしたら魔族は勇者が、

人間でないと気付いた毒調合したりと、

勇者の上辺でない、

本質を見ようとしたからか…


モンスター達をしきりに、

醜くおぞましい呼ばわりしたのは、

自己投影してたからか!


さっき勇者だから幸せと、

一般論マウンティングし、


話を終わらせて紅茶飲んだのは、

本当はそうではなかったからか!?



「喰うにも困る僕は、

女神に言われるがまま、

勇者としてこのドハワールドに来た…


この醜くおぞましい姿では、

人間が恐れるからと、

父上は最初に人間に化け方を仕込んだ」



なるほどあの人間大好き女神が、

強要しそうな事だ…


しかし無知な恐竜に、

そんな無理を強い続けるなんて!

許せない!


私は知識有るゆえに、

女神の要求はね除けたが!



「この醜くおぞましい姿では、

最初見た仲間にも、

モンスターと間違われ、

討たれかけた…」



確かに戦士グッドフェローなら、

やりかねない!

本人見たら興奮していたのが、

今シュンとしている…


グッドフェローやドルゼにも、

間違えた罪悪感有るのか?



「この醜くおぞましい姿を見た者は、

生かしておくわけにはいかない!

君もだ栄子!」



「だから私はその姿、

美しいと言ってるでしょ!


貶したならまだしも、

何で誉めて殺されるのよ!?


ねえ勇者、

貴女こそ私の元に来ない?」



今まで強い人間と思っていた勇者が、

モンスターと分かったからには、

話は別だ!


今度は私が口説くターン!



「あの人間態、

かなり無理してたのよね?

怪物帝国ならずっと、

フクイラプトルのままで良いわ」



「でも僕はドハワールドの誰より、

多くのモンスターを傷付けた…

誰も許す筈が無い…」



「私が許す!認めさせる!


それに大魔王の私に、

勇者の貴女が従えば、

モンスター達も安心する筈よ」



ベルゼバブ王やクロノス王は、

強さや人間態と言った上辺で、

勇者を配下に置きたかった様だが、


私は本当の勇者キョウが欲しい!



しかし司祭バプテスマは、

勇者キョウに耳打ちし、

まだ無理させようとする…



「惑わされるなキョウ…

大魔王得意の甘言ぞ」



「何が惑わすよ!

惑わし続けたのは貴方と女神でしょ!

毒親ども!


娘の本当の姿を醜いと言い続け、

無理させ続けるなんて、

父親として最低!恥を知れ!」



「ぐっ!大魔王の分際で…

貴様誰の味方なのだ!?」



確かに私は今、

誰の何の立場で話しているのだろう…


勇者に今まで見て来た、

サワイから始まる、

多くの追い詰められたモンスター達…


それに重なって見えた…


もしかしたら勇者キョウが、

一番追い詰められた、

モンスターだったかも知れない…


今はただ、

傷付いた勇者キョウを、

癒したかった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ