大魔王自らスパイ
しかしセリザー王宮潜入の、
格好は不満だった…
「メイド姐御めっちゃ可愛いすね♪
モナカ王国のはスカート短くて、
美味そうす️♥️」
私は近くに居たメイド二人を、
峰打ちで気絶させて脱がせ、
サワイが喰って証拠隠滅しつつ、
二人でメイドに化ける事にしたのだが…
「サワイその姿…
はぁ…」
「よく見て下さい、
姐御が嫌いな人間態じゃないすよ。
角や尻尾有るし、
ここに皮膜有るドラゴニュート形態す!」
確かにワイバーン故に、
背中に羽根ではなく、
中指、薬指、人差し指に、
魚人や河童や仏の様な皮膜有る。
「先生一家みたいに、
頭が竜のままの、
ドラゴニュートのが好きだけど」
「それだと目立つでしょ!
ダークエルフメイドの姐御も可愛いす️♥️」
私が人狼とモナカ王国にも、
広く知られているので、
頭のケモ耳は引っ込めて、
一番私に近い亜人になった。
耳引っ張ったら、
結構尖らせれるもんだなあ…
茶や菓子をワゴンで運ぶフリして、
王宮内を散策すると、
『大魔王対策本部』なる、
そそられる看板の部屋を発見した。
中に入るとそこには、
無数の魔法の大鏡が並んだ、
オペレーションルームが有った!
剣と魔法の異世界で、
こんなSF寄りの作戦司令室有るとは!
私は怪物帝国で脅威ゆえに、
勇者を怪獣扱いして、
作戦会議する自分たち怪物が、
人間ぽいなあと薄々思っていた…
だがモナカ王国側では、
私達を怪獣扱いしてくれて嬉しい!
貼り紙には、
『第一次警戒体制 占い、予言、霊視いずれかで、
大魔王進撃予定を察知した時。
第二次警戒体制 魔法の鏡、精霊魔法、スパイが、
大魔王進撃決定を目視した時。
第三次警戒体制 訓練、兵站でモナカ王国攻撃の具体的準備を、怪物の騎士団が開始した時。
第四次警戒体制 怪物の騎士団進撃開始を確認した時』
と物々しく書いてある!
私は興奮しながら、
お茶やお菓子を配り歩くと、
司令席に座る立派な若い男が居る。
見覚え有る恐ろしい四人が、
立っていた…
レン若王と勇者ら、
無敵戦隊だ!
「奴ら扶桑、蓬莱から、
モナカ王国に侵入したな…」
「この王都セリザーにも、
潜入した様ですね」
今すぐ横に居るよ!
私とサワイは気付かれない様に、
レン若王や無敵戦隊に、
お茶やお菓子を配った。