異世界中華
「それとわしは、
旅の手続きはしても、
転居の手続きはしておらなんだし、
百足屋の転居手伝いにも忙しい故、
蓬莱には南蛮竜と行け」
「えー!?蓬莱は敵国だから、
扶桑より危ないんじゃ…
一緒に来てくださいよ~」
「南蛮竜と魔神がおれば、
大丈夫であろう」
「へっへっへ…ようやく新婚旅行なりましたね…」
「だから遊びじゃないと、
言ってるでしょ!」
こうして私はサワイと、
二人で若本転位ゲートから、
蓬来の首都洛陽に向かった。
北京や長安じゃないんだな…
しかし訪れた洛陽は、
北京に近かった!
洛陽城は紫禁城みたく、
城壁に巨大な麒麟の顔写真が、
掲げられている…
なるほど扶桑が黄龍なら、
蓬来は麒麟か…
どちらも東西南北中央の、
地属性で黄色だからな…
麒麟は理想的な、
君主の統治に現れる聖獣だが、
ドハワールドでは自ら君主なのか…
首から上だと、
龍や龍馬との区別難しいが…
『因みにお嬢様、
蓬莱は帝国でなく共和国で、
麒麟は皇帝や王ではなく、
国家主席ですよ。
まあ代々麒麟の一族が世襲するので、
帝国時代と変わらないですが』
若本からの天の声!
異世界で共和国珍しいが、
北朝鮮みたく形だけか…
服装はチャイナドレス着たかったが、
清朝でなく明朝に近く、
和服に近い漢服…
私は扶桑での和服のままだが、
馴染んで目立たないな…
服装や建物は清朝以前だが、
自転車や自動車の数は、
ひと昔前の中国さながらだ!
自転車は流石にチェーンではなく、
巨大な前輪にペダルのタイプだが、
蓬莱人達は器用に乗りこなしている…
自動車は馬無い指南車で、
前の方向示す小さな人形が、
ロールスロイスのエンブレムみたいだ…
そして空は、
エルフの里みたいな飛行艇や、
トルキスタンの空飛ぶ絨毯は無いが、
元道士兵や瑞獣で、
生身で飛んでいる者が多い…
雑技団の様に、
凄い体勢のも更に凄い!
「ううーん蓬莱、
仙術で文明レベル高いなあ…
昭和後期くらい?
これエルフの里みたいな局地でなく、
他都会もなんだろなあ…
流石ドハワールド一の大国…」
『お嬢様、チャイナドレスでしたら、
私が御用意しますよ』
すると私の腹はいつの間にか、
扶桑和装から、
赤いチャイナドレスに変わった。
「おぉ姐御!足めっちゃ美味そうすね♪」
洛陽には無反応だったサワイが、
スリットには凄い反応している!
しかし蓬莱では馴染み無い服装と、
馴染み無いワイバーンは、
非常に目立ってしまった…