守護狼
「無論頑丈な盾や援軍も、
燧石を使わない、
連発銃もお貸し致します…
ただこちらからも、
条件が有ります…」
怪物帝国は図書館じゃないんだから、
ただ無料レンタルするだけではない!
弾は一度売ったら終わりだし…
取り引き条件は、
舐められないためにも必要なんだ!
特におじさんは誰より若い女を求める割に、
誰より侮りがちだし!
「我々怪物帝国は人間を滅ぼし、
妖怪の王道楽土を目指してます。
扶桑の民には、
妖怪になってもらいましょうか。
それが貸し出し料金です」
「なんと…人嫌いとは聞いていたが…」
「我々が支配する人々すら、
そなたの如く妖怪に化けよと申すか」
「我ら妖怪ゆえに、
人を従えているのに、
無理であろう!?」
白虎、朱雀、玄武の公家は、
やはり動揺して話し合った…
「しかし我らの国防、
限界に来ているのは事実…
蓬莱を倒すためにはいっそ、
条件を飲むのは…」
「否!蓬莱なぞ神風が吹けば、
同士兵は空飛ぶ故に簡単に吹き飛ぶ…
昔の蓬寇はそうであった」
異世界ゆえに、
神風は本当に吹きそうだが、
あの女神が吹かすとは思えない…
魔神が起こすならば、
その魔神の力で来ている、
私こそ神風だ!
人狼である事を最大限活かした、
説得兼威嚇してみるか…
「我なるは怪物帝国大魔王にして、
汝ら扶桑の守護神、大口真神なり!
我こそが蓬莱を吹き飛ばす神風なり!
若い娘だからと侮るなかれ!
南蛮魑魅魍魎を従える我が力、
尋常に非ず!」
私はここで自慢の、
完全狼形態となった。
若本がタイミング良く、
後光も差させて威厳を高める…
田畑を荒らす鹿、猪を喰う故、
狼は農耕神…
そんな信仰が扶桑にも有るか謎だが、
先生の現地妻の類いでない事は、
伝わるはずだ…
「御簾を開けよ…
怪物帝国大魔王の顔、
直接見たい…」
遂に龍帝陛下の顔も分かるのか!
私の兄貴分、お兄ちゃん!
先生の兄弟子なだけでなく、
一国の主て意味でも!