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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第三章 滅ぼすもの、滅ぼされるもの
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ようやく姉貴分

扶桑の河川敷は土手無く、

洪水を直接防ぐかの様に、

ねね川干潟に桃色で緑髪の大きな、

東洋龍ぽい東洋龍が待機していた。


雌だからか髭は無い。



「これなるが我が娘、

吉田お龍ぞ」



「栄子様、お待ち申し上げてました」



「栄子…『様』!?

私は貴女から見たら、

妹弟子なんだけど…」



「栄子様は一国の女王、

礼を尽くさねばなりませぬ。


さあ南蛮竜様含め、

お乗り下さい」



「俺も!?

ワイバーンなのにドラゴンに!?」



礼儀正しいのは良いし、

乗り心地良いけど、

お堅いなあ~


龍人でなく、

完全な龍として来たのも、

私の気を遣ってだろうな…


先生の実娘で剣術指南役、

つまり私の姉貴分なのに…


ラピスちゃんは私を、

お姉ちゃんと呼んでくれても、

ドーナ女王は姉貴分と言うより、

女王仲間、憧れに近いからな~



「では大和京(やまときょう)に参りましょう」



「大和…京!?」



京都ではなく、

平城京や飛鳥京の様に、

奈良辺りに有る様だけど、


有りそうで無いネーミングだ…


つまり大和京女子は、

色んな意味で大和撫子か!?



ドハワールド京都は田舎で、

住民は謙虚で裏表無く、

奈良に媚びへつらっているのかな?



雲上に飛ぶのも気持ち良いが、

やはりお龍との、

距離感引っ掛かる…



「あのお龍さん、

私を『栄子』と呼び捨て、

若しくは『栄子ちゃん』と、

呼んでくんない?」



「そんな不敬な!?

いや…御本人様が望まれるなら…

栄子ちゃん…」



「わあい!龍お姉ちゃん♥️」



私はようやく姉が出来て、

思わずラピスちゃんみたいな反応した。


桃色鱗や背鰭生えた胴体に、

倒れ込む様に抱き付いた。



「えーとこのピンクドラゴン、

姐御の姐御ならつまり、

俺にとっても姐御?」



サワイは龍お姉ちゃんに嫉妬する前に、

相関図を脳裏で整理していた。


こうして大和京付近に着いたが、

碁盤の目だ!


平安京は言うほど綺麗な、

碁盤の目でなかったとも聞くが、

本当に真四角で綺麗だ…

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