世界を守るために寝る
「じゃあヴァースキはどこ!?」
「世界殺しですか…
マンダラ山ダンジョンパーターラの、
地下七階に居ますが
ヴァースキも期待しない方が…」
クンダリニー王はヴァースキでも、
歯切れ悪い答えをした。
「あとヴリトラは!?
ナーガで一番強いでしょ!?
女神にも楽勝でしょ!?」
「ヴリトラ様は人間と羅刹の、
古代核戦争後に、
シンドを復興した偉大な魔神で、
コブラのナーガだったらしいですが、
記録が少なく実在するかは…」
若本そんな仕事もしてたのか!?
後でkwsk聞こっと!
「まあ私は魔神の知り合いだから、
後でヴリトラここに行かせるわ」
「なんと!怪物帝国の大魔王…
計り知れない緒方…」
こうしてクンダリニー王も、
従えれそうな感じしつつ、
私たちはマンダラ山に向かった。
「軍荼利明王思ってたより、
礼儀正しい若僧だったな…
次は本題の和修吉だな」
「先生の和風変換、
クンダリニーとヴァースキは、
そうなるんですね…
九頭竜だと、
扶桑や宇宙にも居るからかな…」
「てかこの辺、
草一本も無い荒れ地すね!?」
マンダラと言っても仏は見当たらないし、
草も虫も居ない様は、
まさに末法!
そしてパーターラダンジョン各階層の、
モンスターに触れたかった。
特に三階の修羅のマハーバリは王になると、
全世界が富み誰も餓えなかった辺り、
大魔王としては、
どう統治するか気になった。
アダムワールドもドハワールドも、
女神含め神々が統治すると、
どうしても餓えや貧困が有るので、
どう考えてもバーフバリの方が、
カリスマ性桁違いだ…
まあ神様が女神と魔神しか見当たらないので、
ゾロアスター教の神である修羅も、
見当たらない様だが…
こうして到着した七階に、
首がヒドラの様な九頭どころか、
千頭の大白蛇が寝ていた…
ヨルムンガンドよりはずっと小さいが、
クンダリニーよりはずっと大きい…
「ヴァースキ、貴方の毒ちょうだい!
モナカの勇者は、
貴方の毒使わざるを得ないほど、
超強いの」
「やだ」
拒まれた!
私は多頭竜には、
拒まれる運命なのか!?
「何か欲しい物が有ったら、
交換を…」
「俺のハーラーハラは、
そういうもんじゃない。
マンダラ山付近見ただろ?
あの辺は俺の涎で滅びた」
草の根生えない荒野だったのは、
ヴァースキの涎だけで!?
血ならシンドごと滅びるかも…
「でも勇者はモンスターは容赦なく殺す!
つまりこのシンドに攻め込んだら、
一溜りもないわ!
貴方の毒で皆を救えるのよ!?」
「俺の毒を利用したい奴は、
みんな綺麗事で丸め込もうとする…
シンドが滅びるならそれも諸行無常…
末法だしな…」
そんな仏教ぽい拒み方しなくても…
ヴァースキは涎でも、
威力が戦略兵器レベルだから、
みんなヒドラよりも慎重、
本人も慎重なのか…
千も頭有るし、
だからこんな地下に居るのか…
まあセイゴクー王並みに積極的だったり、
ヨルムンガンド並みに軽かったら、
既にドハワールド滅んでいるか…
「仮に俺にハーラーハラ貰えたら、
勇者に飲ませるまでどう運ぶ?
俺の毒に耐えれるのは、
分泌している俺の体だけ…
むにゃむにゃ…」
確かに!ヴァースキ本人の体しか!
うーん魔神である若本も、
シヴァみたく耐えれるかは…
いやいや!魔神とは言え、
メイドに毒飲ませる前提て何だ!?
「どうします?ボコッて吐かせます?
むしろ涎にするっすか?」
「いやそんな魔族みたいな事は…
涎すら運ぶの難しいし…」
ヴァースキ寝たが、
ハーラーハラ諦めないぞ!
アグネアと違って現存しているしな!
今は一旦引いて、
後で再交渉しよ!