出発前の出版
そして遂に、
異国訪問の時が来た。
「旅と言っても、
転位ゲートで直ぐだし、
忘れ物も直ぐ取りに帰れるけど、
後は頼んだわよ」
すると見送り一同の中で、
バルバトス王が私を引き留めた。
「忘れ物と言えば!
夢魔派生の白昼夢魔は、
様々な本を出版してまして、
大魔王陛下に、
インタビューしたいそうなので、
出発前に」
「インタビュー?面白そうだけど、
旅帰ってからでも…」
「帰国後はお疲れでしょうし、
新たに言いたい事、
山ほど増えてます!
先ずは今までと、
これからのご予定を」
「確かに旅の後は、
旅の思い出語りたい…
軍事機密ばかりだから、
伏せるの難しそうだけど」
「白昼夢魔もプロです!
上手い具合校正します!」
こうして若本転位ゲートで、
国外前に国内の第三都市ガンマに、
私はバルバトス王と赴いた。
第三都市と言っても、
割と田舎で自然豊か…
城壁も見当たらない…
すると小山の洞窟前に、
複数裸の男女…通常夢魔か!
私を好奇と畏怖の眼差しで、
見詰めている…
「うわー!?怪物の魔女だー!?」
「いや大魔王だー!!」
「殺さないでー!」
「食べないでー!」
いや殺さないし食べないって、
サナやクエレみたいな反応だなあ…
そうか、この前の怪獣夢で、
サキュバスに引かれたな…
あの時で夢魔に過剰反応されて、
バルバトス王に過大評価されたんだったな。
「お前ら!大魔王陛下に無礼だぞ!
こちらです…」
夢魔を諌めたバルバトス王に、
通されたのは、
小山を挟んだ城の様に大きな建物と、
工場の様な施設だった。
出版社と印刷所が、
隣接しているのか…
多分本も錬金術で、
増刷しているんだろな…
出版社の中は、
白昼夢魔も夢魔ゆえに裸だが、
内装や作業風景は、
アダムワールド編集部に近かった。
スタジオで簡単なグラビア撮影、
昔っぽいカメラなのに、
魔法でカラー撮影出来るのか…
大魔王服や青い作業着に着替え、
直ぐ撮り終えた。
奥の応接間で、
裸のインタビューインキュバスが、
待ち構えていた。
「初めまして大魔王陛下、
どうぞごゆっくり。
ではアダムワールドでの貴女と、
ドハワールドでのご活躍を」
夢魔のお茶とお菓子には、
変な媚薬入ってそうなので、
飲み食いしたいがスルーし、
今までを語り続けた。
若本が魔神やアイテムボックス、
毒殺作戦、新ゴーレム計画は伏せ、
アダムワールド時代、
サワイ、ゴート、先生、亜人王との出会い、
既に実行したエマの街、マークの街攻略、
失敗したブルドーザーファランクスなど、
大丈夫そうな事を話した。
「最後に、勇者をどう退治しますか?」
バカ!それ聞くな!
今後の国造りとかにしろ!
…と思いつつ、
「モンスター達との愛と勇気で、
立ち向かいます!」と、
抽象的な意気込みで締め括った。
既に疲れたが、
早く異国行きたいので、
バルバトス王に回復魔法掛けてもらい、
怪京城に戻って直ぐ、
サワイ、先生とトルキスタンに転位した。