ゴーレム決定項
「まず司祭バプテスマの槍みたく、
光の刃を出す剣をいっぱい造る…
そしてそれの柄を球状に、
びっちり敷き詰める!
回転しながら飛んで体当たりすれば、
一切の隙無く攻防一体!
私が思い付く限り、
最強のゴーレムよ…」
これには鍛冶モンスター一同は、
不満げだった。
「それはちょっと…」
「格好悪いだ!」
確かにロボアニメなら、
スポンサーが玩具売れないだろうが、
これはアニメじゃない!本当の話!
強いて言えば玩具でなく、
インテリアならオサレで売れるかも!?
「確かに考えた私も、
格好悪いとは思ったし、
本当はドラゴン型にしたかったけど、
勇者は格好良さ気にして勝てる相手?
昔の強い魔族達は、
格好良さ気にして舐めプしたせいで、
無敵戦隊に負けたんじゃない?
ゴーレムとしてメジャーな人型のが、
格好良いと言いたいんでしょうけど、
隙だらけで不安定な二本足より、
隙無く転がれるウニ型のが強い筈よ。
無論ドラゴン型より隙無い!」
「安定性ならせめて、
クモ型やカニ型にしませんか?
ゴート様もそんな体型ですし…」
「節足動物もひっくり返されたら危険だし、
沢山有っても足狙われるでしょ!
これは回転するから、
どの光の刃も破壊出来ないわ…
どんな特殊魔法もゴリ押しする勇者には、
それ以上のゴリ押ししか無いわ!」
「でも…なあ…」
「そこまで勇者を殺したいなんて…」
「奴を殺さなきゃ、
モンスターみんな殺されちゃうでしょ!
これは勇者を殺せるゴーレム選ぶ、
コンペなんでしょ!?」
一同はシーンと静まり返った。
これは主役機や玩具を考える、
企画会議ではないのだ。
「うーん…ゴート様の、
ゴーレム勇者が一番格好良いけど、
確かに勇者に勝てそうなのは、
大魔王陛下のウニゴーレムかも…」
「ゴーレム勇者も間接部とか、
狙われそうだしな…」
「ウニゴーレムで決定にしましょう!」
「まあ大魔王の私案採用だと、
忖度ぽくはあるけど…
蚩尤のミストゴーレムも、
大魔王権限で採用よ!
私の派手なウニゴーレムに、
勇者達が驚いた隙に、
鼻や口からミストゴーレム侵入させて」
「大魔王陛下自ら、
陽動して下さるとは…
蓬莱から来た甲斐有りました」
こうして並行しながらだが、
ミストゴーレムとウニゴーレムが、
製作決定した。