立ち向かう蛮勇気
「ゴートは新ゴーレム製造に徹して、
私は若本の転位魔法で、
トルキスタン、シンド、扶桑回るから、
サワイと先生ついてきて」
「へっへっへ…
姐御と新婚旅行みたいすね♪
ジジイが邪魔だけど!」
「そんな事言わない!
これは遊びじゃないから!
武者修行して来た先生が、
外国一番把握してるでしょ」
しかし先生はサワイに言い返さず、
先に気になってた報告をした。
「それと異国に行く前に、
今回の敗戦で、
怪物帝国内で一揆多発しておるぞ」
「えー!?また内乱!?」
「悪鬼どもは王位を稚児に戻し、
悪魔帝国に戻ろうと、
特に大栄で騒いでおるぞ」
異世界まで来て、
原理主義を聞くなんて…
第二王都オメガを、
私の名前に変えたのが、
逆にまずかったのか…?
てかこの前行った時、
魔族やる気無かった割に、
反発には本気出すんだ…
「魔族なら僕が行きます…
メフィストフェレス行くぞ」
担がれているバルバトス王が、
こちら側だから何とかなるかな?
しかし会議室出ようとした魔族二体を、
先生は少し止めた。
「あ、待て稚児。
もしかしたら悪鬼どもも、
ここでの戦鬼一揆同様、
最中王国の忍者から、
金を貰っていたかもだから、
出来れば奴等の軍資金も調べよ」
「えー!?またオーガが下剋上!?
窓から外見ても、
平和に見えますが…」
「ここに来る前ぞ。
うぬが着替えに手間取る間、
扇動していた戦鬼旗本を、
わしが中央広場で、
晒し首にしておいたからな」
あの官僚オーガか…
また逆らって先生にやられたのか…
今回とうとう粛清されたんだ…
「戦鬼旗本はうぬの首を手みやげに、
最中王国に降伏する事で、
自分たちだけ勇者から助かろうと、
目論んでおったからな…
魔神の説得より、
見せしめが効果的よ」
いつぞや先生が言ってた、
私を人間に売ろうとするモンスターか…
私ならまた官僚オーガも、
「めっ!」で済ましかねないし、
その隙に私の首を刈りかねない…
しかし官僚オーガ、
本当に反発の化身だなあ…
反抗期だったのかな?
内乱は反抗期では、
済まされないけど…
そういやこの会議室に、
ラピスちゃん女王は居ても、
ドーナ女王は見当たらない辺り、
まだオーガ面倒続いてんだなあ…
てか怪物帝国、
江戸時代レベルの処罰だなあ…
こう、アダムワールド現代日本人としては、
せめて戦後レベルくらいの、
三権分立出来ないかなあ…
これから異世界でモンスターの、
法整備までしなきゃいけないなんて…
人間より手間掛かるかも…
「それとサワイ、
ここに居るの殆ど、
亜人モンスターだけど、
怪獣軍団の獣型モンスター達は、
今何しているの?」
「俺の配下は俺より、
勇者たち恐がってて、
使い物ならねえっす!
フェニックスは水魔法拘束、
解いたんすけど」
獣ゆえに本能的に、
無敵戦隊を恐れるのか…
特撮の怪獣、怪人はよくぞ、
毎回ヒーローに立ち向かう勇気、
有るもんだなあ…