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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第三章 滅ぼすもの、滅ぼされるもの
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勇者無双証言

「巨人王宮で言ってたけど、

クロノス王は勇者に、

時間止めても負けたっての、

良かったら詳細聞かせて。


あいつに勝つのに、

必要な証言だから…」



「それは…」



相当のトラウマだったのか、

クロノス王は口ごもりながら、

少しずつ話し始めた…



「旧魔王ことベルゼバブ王が討たれたと聞き、

我々巨人は勇者ら無敵戦隊追撃に、

当時王都アルファだった、

ここ怪京に向かった…


我々の歩幅なら走れば、

巨人の山から直ぐの距離だからな…



勇者は旧魔王の首を持ち、

転位ゲートから王都セリザーに、

帰ろうとしていた…


噂より美しい娘ゆえ、

時間を止めて持ち帰り、

一軍生き人形にしようとした…」



勇者も机に飾りたかったのか!?

認めたくはないがまあ…

クロノス王が飾ってたどの女より、

勇者美人ではあるが…



「だが奴は停止した時間内でも動き、

あの矮躯に似合わぬ怪力で、

余の指を抉じ開け、

余を殴り飛ばしたのだ!」



勇者本当にゴリ押しで動いた!?

凄い力とは思っていたけど、

まさか自分よりずっと大きな、

クロノス王を吹き飛ばした!?


そんな勇者と爪の刀で、

鍔迫り合いしていた先生も大概だな…



「今の勇者には勝てぬと判断した余は、

時間を巻き戻し、

子どもの頃の奴を殺そうとした」



女の子に殴られた大男が、

幼女の頃に復讐目論む…


絵面は非常に情けないが、

タイムトラベルまで出来るとは、

クロノスは巨人の王でも、

パワータイプでなくテクニックタイプだな!



「だが子ども時代の勇者にも、

余は殴り飛ばされ、

その勢いで時空を越えて、

現代にまで帰還した。


だが目にしたのは無敵戦隊が凱旋し、

巨人兵たちの死体の山だった…」



あまりに一方的な敗北…

タイムトラベルまでして負けた挙げ句、

部下の死体埋葬もとは、

確かにトラウマだろうな…



するとサワイはクロノス王を、

揶揄すると思いきや、

予想外の提案をした。



「時間好きに出来る魔法って、

デカブツ最強だろ!?

止めても戻っても駄目なら、

進めるのは?


勇者ババアなら勝てるって!」



確かに停止も巻き戻しも駄目なら、

早送りしか無い…

勇者も人なら老いには勝てない筈…



するとオーベロン王が、

青ざめながら立ち上がった…


セイゴクー王と並んで、

自信満々な王様だったのに、

私に牙を抜かれてしまったのか?



「いや…我々妖精が、

時の精霊ズルワーンの加護で、

不老不死な様に、

勇者も女神の加護で、

不老不死の可能性が有る…


そもそも奴の養父は、

人間ながら信仰心だけで、

200歳も生きている…


勇者が何年生きるか分からぬ!」



確かに司祭バプテスマは、

人間と言っても超人だ!


具体的にどんな儀式や修行で、

そこまで延命するか謎だけど、

勇者はもっと生きかねない!



「だいたいみな、

勇者の話ばかりしているが、

我の妹グッドフェローも危険だ!

同じ王族エルフと思いたくない」



兄妹で身近な存在ゆえに、

オーベロン王は勇者キョウより、

戦士グッドフェローを恐れ、

震えている…



もしや外で異種族と居るサナを、

過剰に見下し、

私に踏まれて大人しくなったのは、

伝統や服従だけではなく、


妹との何らかのトラウマも、

左右していたのか?


サナとクエレ認めさせるためとは言え、

悪い事しちゃったかなあ…

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