恐るべき援軍
そしてモナカ王国の、
航空戦力も来た…
ワイバーンに乗る、
竜騎兵居ると聞いたが、
私が最初に従えたのがワイバーンと、
認知されテイムを恐れてか、
魔法の絨毯の編隊だった…
なるほど絨毯ならば、
ワイバーンや箒より沢山積めて、
爆撃機にもなる…
隣国の中東ぽい、
ラミスタンから大量購入したのだろうか?
だが巨人を狙った弓矢、爆弾、攻撃魔法は、
巨人の肩に乗せたエルフ兵の、
防御結界が防いだ…
エルフ兵は防御に専念させ、
攻撃は栄系四七を持った、
ゴブリン兵に専念させている。
機動力高いサスカッチ兵には、
戦況に応じてゴブリン兵を援護射撃。
魔法の絨毯は布なので、
栄系の7.62㎜弾であっさり蜂の巣だ。
よしんば銃撃をかわした魔法の絨毯も、
サワイが従える空飛ぶモンスター達の、
炎で焼き払われた!
巨人兵は下や前どころか、
上や後ろすら防御は完璧なのだ。
おまけに魔女達の占い、
西洋版風水と言える地政学で、
進行方向に崖、沼、落とし穴が無いか、
探っているから巨人兵も安心だ。
勢いで国境沿いの、
ネイサンの街を城壁ごと破壊し、
村々も舗装していく!
ジャンジャンバリバリ進軍するが、
モナカ王国軍の増援は、
もう奴らの最終兵器でもある、
切り札を切った!
「へぇ、こんなに統率取れた、
巨人初めて見たよ…
栄子やるもんだね」
私たち怪物が最も恐れ、
奴ら人間が最も頼る、
勇者キョウだ!
既に豪華な装飾の、
女神の剣を抜いている!
「うわー!?勇者だー!?」
「今の俺たちなら勝てる!
撃て撃てー!」
怪物の騎士団は動揺したが、
ゴブリン兵もサスカッチ兵も、
全員勇者に一斉射撃した。
だが勇者は先生と違い、
銃弾を攻撃とすら認識してないのか、
一切剣で払おうともしない…
鎧どころか服や肌まで、
当たった7.62㎜弾がひしゃげて落ち、
眼球に当たった弾も、
同様にひしゃげて落ちる…
勇者にとって銃弾は、
まばたきするまでもない、
虫や目薬以下の存在なのか!?
「何で鉄砲がそんなに、
連射出来るかは分からないけど、
岩を投げ付けられるよりは、
マシだね」
勇者キョウは剣を構えて、
一人突っ込んで来た!
そして気が付くと、
真ん中の巨人が一人血を流して倒れ、
乗っていたサスカッチ、ゴブリン、エルフ兵が両断され、
ブルドーザーシールド裏の吸血鬼は、
下敷きになった!
よく見るとブルドーザーシールドと、
巨人の心臓に穴が開いている!
勇者が貫通弾さながらに突っ込んだのか!
「モナカの兵よ!怪物帝国は無敵じゃない!
一気に雪崩れ込むんだ!」
「さすが勇者様!」
「わー!」
倒れた巨人頭上で、
モナカ王国軍を鼓舞している!
やはり勇者強い!
「そうれそうれ!巨人ども!
そんなもんかい!?」
すると右端から順番に、
ブルドーザーシールドごと巨人が、
カッターで段ボールを切る様に、
真っ二つにされていく…
戦士グッドフェローが巨斧で、
切り払いながら迫っている!
今度は左端から順番に、
ブルドーザーシールドごと巨人が、
心臓を次々穴を開けて倒れていく!
「この様な盾なぞ我らには、
熱い牛乳の膜以下よ!」
司祭バプテスマが両手の十字槍で、
突き刺しながら迫っている!
そして空飛ぶモンスター達も、
いつの間にか撃墜されて、
フェニックスだけは不死ゆえか、
水魔法で拘束されて落ちた!
「怪物退治なぞ、
飽きるほどしたからな」
魔法使いドルゼの、
攻撃魔法か!
無敵戦隊は勇者の仲間だから、
漠然と強そうな印象だったが、
こんなに強かったのか!
てかこいつらと渡り合った、
旧魔王と昔の悪魔帝国、
強過ぎだろ!
あっという間に、
戦況は覆されてしまった…