恐怖の新陣形
そして遂に開戦当日!
国境沿いに集まった、
モナカ王国軍は、
転位された怪物帝国軍に、
度肝を抜かれた。
「なんだ…この壁は?」
そう!盾を持った巨人の陣形だが、
ただの盾ではない…
ブルドーザーのブレード型の、
盾を持った巨人達が隙間無く並び、
一斉に突撃するのだ。
ブレードシールドだと、
刃か盾か分かりにくいので、
新兵器名はブルドーザーシールドである。
「うわー!?」
当然弓も槍も通らず、
モナカ王国軍の人間兵士は、
一斉に蹂躙された…
それは戦闘と言うより、
舗装や清掃に近かった。
動く城壁の様な、
ブルドーザーシールドだけでなく、
犠牲になった味方の死体が、
泥と共に迫る迫力は、
視覚的恐怖が大きかった!
「これは良い!
人間どもはいつも我々巨人の、
足を狙って姿勢を崩す…
対抗して鎧や盾で固めても、
すばしこい連中はあっさり、
その隙間を攻撃して来る…
だがあの盾とファランクスなら、
どの人間も足元に潜り込めない!」
ギリシャ風の甲冑を着たクロノス王は、
跪いてニーズヘッグ輿に乗る、
私横で膝を叩いて驚嘆している…
と言いたいが、
ニーズヘッグ輿で女の大魔王ぽい、
谷間とスリット凄くて、
角ぽい冠は私の影武者ゴーレムだ。
派手な格好をしていて、
マークの街攻略時に乗っていて、
本物のサワイが守り、
横で巨大なクロノス王が居ては、
アサシンは誰もが私と思うだろう…
無論サワイと服飾エルフは、
不満げだったが…
本物の私はニーズヘッグ輿より更に後ろ、
コボルトの軍に、
秋田犬を装った色合いで、
紛れ込んでいる…
戦況は無数のドローンゴーレムや、
影武者ゴーレムの目を通して、
リアルタイムで把握出来る…
コボルト達は私をチラチラ見るので、
気付いているか、
「見掛けないコボルトだなあ」と、
違和感感じているのだろうか?
ようやく上げたコボルト好感度が、
下がったら嫌だなあ…
でも警戒していた、
柴犬、土佐犬、シベリアンハスキーコボルトは、
私に尻尾振っているから、
大丈夫かなあ…
巨人ブルドーザーファランクス影に、
吸血鬼が貼り付き、
後ろに栄系を持った、
オーガ、オーク、魔族軍…
間にニーズヘッグ輿の影武者とクロノス王…
アンデッド軍…
後ろにコボルト、ケット・シー軍…
上空に空飛ぶ獣型モンスター飛ぶ編成…
各亜人軍、
特に魔族軍を大幅増員した、
計百万の大軍!
中国やペルシャの様な大国でも眉唾、
大抵の敵は諦める数!
しかしモナカ王国は超大国ゆえ、
同数の大軍編成可能だろうから、
その前に押し潰して王都セリザーまで突っ込み、
レン若王の首を討ち取って、
早目にゲームセットしたい…
ゴブリン、エルフ軍には、
もう少し重要な役割が有る…