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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第一章 どの悪役令嬢より「悪役」令嬢
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デスパレード

表通りに出ると、

先ほどの貧民より身なり良い庶民が集まり、

パレードを観戦している様だった。



だがパレードをしている集団に、

我が目を疑った。



なんと!ゾンビの群れが練り歩き、

馬でなくタキシム達が巨大な山車を牽いている…

鞭打つ御者もスケルトンと、

アンデッドの一団…


よく見たら鞭も、

何か長い生き物の背骨で、

当たったタキシムの腐肉どんどん削れ、

力尽きたタキシムは山車の下敷きに…


山車には骨を集めた玉座が乗り、

そこに牛の頭蓋骨を被った貴族が鎮座し、

原型を留めた女のリッチを侍らせている。


騎士も全員デュラハンで首無い!


「いつ見てもトリオーダー様の行列、

気持ち悪いぜ…」



「しっ!聞かれたらどうするんだ!?

逆らったら処刑されてアンデッドにされて、

ずっと不眠不休でコキ使われるぞ!?」



参列した庶民の話を聞くに、

ここの地方領主は人間の様だが、

人望無くてネクロマンサーの様だ。



するとあの貧民達は、

命からがら領主から逃げ延びた、

被害者でもあったのだろうか?


庶民達も領主を恐れて、

ゾンビ程ではないが青ざめた顔で、

渋々見ている様だった。



「でもなんでこんな事が罷り通るんだ?

この前も隣街の領主様がトリオーダー様を、

咎めてなかったか?」



「トリオーダー様は、

王様に泣き付くのが上手いんだよ、

まったくやってらんねえぜ」



上に弱くて下に強い、

典型的な小物ボスと言ったところか?

世渡り上手だが嫌いだな…

なるほど滅ぼすべき街だ。


最初に来たのがこのエマの街で、

人類滅ぼす私には丁度良かったのかも…



「何かマズそうな奴ばっかすね…

アンデッドは言うまでもないんすが、

目の前奴らももあの骨被ったボスも、

生きている人間なのに死臭がするっす」



私の肩でマスコット形態なった、

人喰いワイバーン的にも、

この街の人間はおかしい様だ。

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