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悪役令嬢モンスターと人類滅ぼす  作者: 龍に本
第二章 勇者の猛威
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夢をかなえるリュウ

仕事は若本、影武者、他怪物の騎士団に丸投げし、

私、サワイ、ゴート、先生は荒野に転位して、

早速サンドワームとしてのサワイの、

御披露目式を始める。


若本がアダムワールドから持って来た、

ストップウォッチを使う。



「よっしゃー!」



100m離れた先から、

私たちが居るゴールまで、

掘り進める形式だ。


土が盛り上がるので浅いが、

こちらからは見ていて、

かなり分かりやすい…



「100m…13秒…」



他の生き物の、

掘削速度は分からないが、

高校生男子平均が走るより速い…


もちろん私が走るより…


人狼なった今なら、

人型でも速そうとか、

そこは置いといて…



「凄い凄い!

今のサワイ掘るの、

めっちゃ速かったよ」



「でしょ!?サンドワームなだけ有るでしょ!?」



しかし先生は冷静だった。



「南蛮竜、いつもの姿に戻ってから、

掘り進めてみよ」



「何ですか!?せっかくサンドワームなれたのに!」



「蚯蚓になって、

どれほど速まったか知りたかろう。


うぬは自由に変化出来るから、

それでまた蚯蚓に、

なれぬ訳ではあるまい」



「ちぇー!」



サワイはワイバーンに戻り、

浮かない顔でスタート地点に戻った。



「じゃあ行くっす~」



気の抜けた合図をし、

掘り進めると…



「100m…10秒!?」



高校生男子100のベスト記録や、

世界女子100のベスト記録!?


いや10ジャストだから、

日本男子ベストに近い!?



一同に気まずい空気が流れた、

先生は余計な掘削を、

サワイにさせるべきでは無かったのでは?



「そんな…普段のが速いなんて…」



「南蛮竜、その姿では、

どうやって掘削している?

蚯蚓と同じく体を捩らせてか?」



「いや…羽根っすが…」



「南蛮竜の本能ゆえ、

羽ばたきの延長で、

うぬは羽根で掘削する癖が付き、

蚯蚓の掘り方とは違ってたのだ」



「そんな…今までサンドワームと、

違い過ぎたからなんて」



「戦場では僅かな差が、

生死を分ける…

戦闘では平常心でいるべきだな」



サワイいつに無く、

落ち込んでいる!


夢を叶えて期待外れは、

夢破れる挫折より、

キツいかも知れない…


何故なら夢破れるなら、

理想が綺麗な夢で保たれるが、


叶えたらもうそれは、

夢でなく現実であり、

いやがおうにも悪いとこも、

直視せざるを得ない…



「サワイ元気出して!

まだサンドワームに慣れてないだけでしょ?

これから慣れたらきっと、

ワイバーンの普段より伸び代有るわよ」



「そうなんすかね…

じゃあ戦いではワイバーンのままで、

サンドワームは一人の時にするっす」



ワイバーン形態が仕事着で、

サンドワーム形態が部屋着感覚なのか!



しかしサワイがワイバーンから、

またサンドワームなろうとする姿に、

ふと目が止まった…



「待った!今の状態で止めて」



「え?何ですか…?」



ワイバーンとサンドワームの中間ゆえ、

足はまあまあだが、

手が短い姿…


まるで古い肉食恐竜復元図、

そう!王道怪獣形態だ!


体から高温を発しているし、

ただのシードラゴン扱いされがちな、

リバイアサンの聖書に忠実な姿!



「そのリバイアサン形態めっちゃ格好良い!

私サンドワーム形態より好きかも」



「なんか姐御、

俺の微妙な形態ばっか、

気に入る様な…」



厳密にはサワイは、

人間態以外は全形態好きだ。


いや、若本が魔神人間態と知った今は、

サワイ人間態も許すべきなのか?


元のワイバーン形態が、

本人には一番不満でも、

私は一番好きなのだが…

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