魔神が描いた物語
「ドハワールドもアダムワールドも、
人類皆殺しを目指すからには、
貴女はどうしようかと思っていたから、
人間でなくて安心したわ…
でもまさか貴女が、
あの魔神様だったなんて…」
「ずっとお嬢様獅子奮迅の御活躍、
拝見させて頂きました️♥️
私は元はギャレワールド天国で、
女神様に作られた、
最初の天使でした…
ですがアダムワールドで、
人間同士が争う様に、
心痛めた女神様は、
このドハワールドでは、
人間の英雄達を引き立たせる為、
やられ役のモンスターを作りました」
そんな理由で!?
しかしあの人間大好きな女神なら、
有り得る!
てか魔神はパズズかアンリ・マユみたく、
神様と同格と思っていたら、
ルシファーみたく堕天使だったんだ!
元は神側だったなら、
ロキも有るかな?
「ですが私は、
それを知り怒りました…
誰が殺される為に生きたいですか?
あらゆる命は幸せになる為に生きます、
それを奪う権利は創造主だからと言って、
有ると思いますか?
親だからと言って、
子どもを虐待死させて、
良い訳有りません!」
そうか…何で私がアダムワールドで、
若本とだけ分かり合えたか…
何で女神様には反発したか…
若本にとって、
モンスターにとって、
女神こそ最大の毒母だっからから…
こんなに怒る若本、
初めて見た…
「私は当時ドハワールド最強だったモンスター、
ベルゼバブに力と智恵を与え、
魔王に擁立して女神や人間達に、
戦いを挑みました…
しかし魔王ベルゼバブは、
勇者キョウに敗れ、
私は女神や他天使達に敗れました…」
若本も同族にいじめられる、
異端児だったからか!
全天使中1/3堕天使仲間居た、
ルシファーより不利な戦況だった!
「そうしてギャレワールドから、
アダムワールドに逃げ延びた私は、
お嬢様と出会った…
モンスターの為に同族に挑み、
いじめられる貴女に、
私は自分を重ねました…
そして人間、若本エマに化けて、
メイドとして仕える事にしたのです」
「貴女も私に、
共感してくれたからなのね…
貴女がモンスターの、
ゲームやフィギュア布教したのも、
より愛を強めるためか…
でも貴女を雇う余裕、
無くなったけど…」
「ご安心を!それも私の仕業です!
旦那様と婚約者を、
事故に見掛けて殺し、
お嬢様も私が運転するトラックで、
轢いてさしあげました️♥️」
「えええぇえぇえぇえええぇえー!?
あの時のトラック貴女なの!?
しかもお父様と婚約者まで…」
「私自身にはお嬢様を
転生させる力は有りませんので、
女神様を利用しました…
元々女神様は勇者様と、
魔王軍残党狩りする、
モンスターテイマーを欲しがってました。
私は元々仕えていた経験を活かし、
転生者候補に、
お嬢様を入れておきました️♥️
貴女なら勇者や人類でなく、
モンスターを選ぶ筈ですからね♪」
確かにそうだ…
私がそんな普通の、
転生者みたいな冒険、
選ぶ訳無い…
てか私の、
モンスター生け贄になりたい夢、
既に若本が叶えたから、
今ここに居るんだ…
「ドハワールドに招待してからも、
お嬢様が降り立つ近くに、
吉田様が人斬り丸を捨てたくなる場所に、
ごみ捨て場を配置したり、
本来フェルニゲシュが、
真っ先に来ていたのを、
五本足バイコーンの道筋遠ざけ、
サワイ様が冒険者に追われる様に、
誘導しましたからね️」
「え?本当は最初に、
フェルニゲシュと遭遇していたの!?
サワイを助ける最初の戦いも、
全て若本のおかげだったんだ…」
「他にもお嬢様が勝つ様に、
冒険者に隙を与えたり、
何回か当たったサワイ様の毒針を、
解毒して差し上げました!
まあ剣士少年の時は、
よそ見しちゃいましたが…
そもそもアダムワールドで、
ワイバーンフィギュア一緒に買ったのも、
サワイ様をお嬢様の、
最初の仲間になって頂くためです️♥️」
「そうだったんすか…
だから姐御は俺と…
魔神様何から何まであざっす!」
サワイが深々頭を下げている!
サワイにとって若本は嫉妬対象でなく、
仲人なのだ。
「若本は私の主人公補正だったのね…
じゃあダンジョンで、
盾冒険者に勝った時も?
あの時自分じゃない様な力出たし」
「ゴブリンと交渉難航のタイミングで、
あの冒険者が来る様にはしましたが、
そこはお嬢様自身の力です、
モンスターへのたゆまぬ愛と気合い…
まさに気愛です!
あとゴート様のアイテムボックスが、
広大過ぎるのも私が、
魔法使いドルゼの脳裏に作り方囁き、
吉田様がドラゴニュート狩り、
返り討ちの瞬間お嬢様が見たり、
その後で豚に遭遇したのも、
ドーナ様を口説く前に、
ラピス様と仲良く出来る様にしたのも、
そもそも冒険者がお嬢様が勝てる、
ギリギリのラインから順番に来たのも、
私の筋書き通りです!」
「なら俺がサンドワーム憧れて、
小さい姿とかに変身出来たのも、
魔神様のおかげっすね!?」
「おらがメタルゴーレムなのに、
気弱なのも!?」
「わしの人相書きが最初、
似てなかったのもら
うぬの差し金か!?」
「ちょっと…何で皆さま、
絶妙に私が関わってないとこを、
挙げるのですか!?
今魔神様すごーいて話なのに、
威厳を損なう事やめて下さい!」
そこも素なんだ…
若本が焦っているとこも、
初めて見た…
アダムワールドで若本は、
いつも飄々として余裕だったし、
私を掌で踊らせる魔神と発覚したのに、
こんな可愛いとこも有るんだな…