城攻め開始
ヒドラの事にショック受けつつ、
哀れなヒドラの為にも人を滅ぼし、
魔族も意識改革する為にも、
私たちはマークの街に進軍する。
そして今回はゴートでなく、
先生の強化妖術で、
喉や肺を強化して声を張り上げる。
人間を威圧するため、
当然尊大な口調だ。
「やあやあ!遠くの者は音に聞け!
近くの者は目にもの見よ!
我なるは怪物の魔女!
汝ら人間に瀆された王都奪還の為、
我が軍、怪物の騎士団を率いて城攻めに来た!
降伏し、
その身を怪物に変えるならば、
赦し今の生活を保証する!
抗えば我が自慢の、
忠勇無双たる怪物の騎士団が、
汝らを地獄に送るだろう」
「怪物が騎士だと?」
「ははは!」
城兵達は笑っている!
「明日、日明けと共に進軍する!
投降はそれまでにせよ!」
「何で今すぐ攻めないっキかー!?
味方こんなにいっぱい、
居るっキよー!」
「そうっすよ!エマの街みたいに、
焼きましょうよ!
俺も青い炎までは吐ける様になったし、
エルフ魔法兵も沢山居るから、
余裕で消し炭じゃないっすか」
直ぐ攻め込みたいセイゴクー王と、
実績有るサワイが疑問を抱いた。
「今回ただ勝てば良いんじゃなく、
なるだけ犠牲出さずに、
勝なきゃダメだからよ」
するとゴートが転位魔法で、
羽根の魔女を連れて来た。
「フェッフェッフェッ、
怪物の魔女ずいぶん出世したねえ~
悪魔帝国の将軍閣下かねえ?」
「私は将軍で満足しないわ、
人を滅ぼして魔族を正すなら、
新魔王以上にならなきゃ」
「フェッフェッフェッ!
若い魔女は夢が大きくて良いねえ~
あたしは投降した人間を、
モンスターにすれば良いんだね?
骨が折れそうだよ」
疲れそうと判断した羽根の魔女は、
若返った姿となった。
「しかし山姥妖術にて、
白旗を上げた人間を妖怪にしては、
忍者が紛れ込むのではないか?」
「それは有り得るかもだけど、
怪物の騎士は少しでも欲しいし、
私自身も元人間だし…
てか先生和風変換では、
魔女は山姥で、
スパイは忍者なんだ…」
見張り交代で眠り、
夜も陣を構えたが、
投降して怪物になった人間は、
数人程度で、
羽根の魔女は物足りなさそうだった。