邪竜救助
アジ・ダハーカはドラゴンながら、
千も魔法使える筈だが、
今使わず捕らわれているので、
おそらくあの首輪や鎖は、
抗魔機能が有るのだろう…
「嫌だー!」
「うわー!?」
アジ・ダハーカは三本の長い首を振り、
物理的に大男魔族達を振り払った!
「こらー!魔女様にひれ伏せ!」
バルバトス王は三本の鎖を掴み、
アジ・ダハーカを飼い主の様に、
引っ張った!
大男魔族が鎖一本辺り、
複数でアジダハーカを捕えていたのを、
バルバトス王は一人で鎖三本纏めて、
軽々握っている。
確かに現魔族では、
最強である腕力だった!
物理も強い!
服装と容赦なさ的に、
ドーナ女王のが強そうにも見えるが、
バルバトス王のがずっと強い様だ。
他魔族は忠誠心高い様だが、
オーガの様に下剋上や暗殺は、
素手であっさり返り討ちかも知れない…
いや!今の本題はバルバトス王でなく、
アジ・ダハーカだ!
「新魔王陛下、
何をやっているのですか!?」
「魔女様好みのドラゴンを、
献上しようと…」
「私は人間からモンスターを守るために戦ってます!
貴方も人間の様に、
アジ・ダハーカを苦しめる事は許しません!」
「申し訳有りません!
お許し下さい!」
「謝るなら私でなく、
アジ・ダハーカに!
その拘束も解き放ちなさい!」
「ですが首輪を外すと、
魔女様にも牙を…」
「いいから早く!」
私はそう強く言うと、
バルバトス王は手を軽く振った。
魔王を味方にする転生者は居ても、
説教するのは中々居ないかも…
アジ・ダハーカの三つの首輪は、
外れて地面にドスンとめり込んだ。
「シャー!!!」
するとアジ・ダハーカは、
六つの大小魔法陣を展開させた。
三つの口前魔法陣からは、
炎、雷、毒の攻撃魔法を放ち、
両羽根の魔法陣からは、
風魔法で突風と氷魔法で冷気、
尻尾の魔法陣からは、
土魔法で地割れを起こした!
千種も魔法使えるからには、
六つ同時は余裕の様だ!
しかしそれらは全て、
バルバトス王の大魔法陣による、
防御結界で防がれた。
「お前!魔女様に当たったらどうする!?」
バルバトス王はアジ・ダハーカに、
反撃する気だ!
「やめなさい!
アジ・ダハーカは恐かっただけ、
絶対攻撃してはいけません!
さあもう大丈夫、
アジ・ダハーカお家にお帰り」
「…」
私の言葉を聞いて、
アジ・ダハーカは、
何処かに飛び去った。
「新魔王!もしや貴方たち、
他モンスターにも、
あんな人間みたいな事をしてるわね!?」
私は怒りのあまり、
徐々に敬語でなくなっていく。
「ですが…
第一王都アルファでは、
本当に人間どもにモンスターが、
虐げられています…
是非とも魔女様の力で、
お助け下さい」
お、この流れで怒る私に、
首都奪還頼むのか…
バルバトス王なかなかの、
交渉上手だな…