それぞれの女王
ドーナ女王さっきにゃんにゃんした、
ラピスにも容赦無いのか!?
いや!人質に取られた時以上に、
苦しい表情を浮かべている!
もしまたラピスがパパ活で粛清したら、
自分も後追い自殺する気か!
「うん、嬉しいですけど、
女王様は元気でいて欲しいかな…」
元気でいる=生きる…
つまりラピスは心中も把握しているが、
ドーナ女王には生きて欲しいのか!
もし心中を他オーガに知られたら、
ラピスに無理矢理変な事してから、
さっきの様な砂金置いとけば、
売春を装って心中で、
ドーナ女王を殺せる…
なんと言う秘めた愛!
この義姉妹…
尊い!そして賢い!
「そして官僚…
今ラピスはあたい専用奴隷…
もしまた良からぬ事ヤりたくなったら、
その無くなった腕を見て思い出せ!」
「はっ!」
そう言うとドーナ女王は、
先生が切り落とした腕を踏み潰し、
オーガ官僚が昔ヤった事は許した…
ひれ伏しているから殺さず、
そこは腕一本で許すのか!
指詰めならぬ腕詰め!
ヤクザよりは厳しいが、
オーガにしては優しい!
「人狼…お前には、
随分世話になっちまったな…」
「いえ先生、
つまり私のドラゴニュートが、
やってくれた事…」
「家臣の手柄は主の名誉だ、
国作りたいなら覚えときな」
「なるほど…でも私には、
ドーナ女王の様には出来ないです…
私は元は人間だからか、
人間滅ぼそうとしつつ、
子どもとお年寄りには抵抗感有ります…
部下のこのワイバーンに、
役目を押し付けてしまう…
モンスターは好き過ぎて、
今の泥棒猫ケット・シーどころか、
オーガ宰相や官僚すら、
説教だけで許してしまうかも…」
「良いんじゃないか?
お前みたいに甘い女王が居ても。
オーガは家臣も民も、
隙あらば下剋上目論む、
ナメた奴ばかりばかりだし、
ケット・シーどもも弱そうに見えて、
足元掬おうとする、
油断ならねえ連中ばかりだから、
あたいは見せしめに粛清して、
恐怖与えるしか無い…
だがお前自身はナメられても、
忠誠心高くてナメられない家臣従えてて、
羨ましい限りだ」
「そうですかね…」
「まあ頼れる家臣居ない時は、
ナメられない努力する事だが…
お前なりの女王になれ!」
なるほど私なりか…
ドーナ女王の真似は無理だけど、
怪物帝国の参考にはしようか…