交渉決裂
「えーと私は、
怪物の魔女と呼ばれる人狼、
大倉栄子です…
私はモンスターを人間から守るため、
怪物帝国建国を目指してます…
ゴブリン、エルフ、サスカッチ、オーク、コボルトは、
既に私たちの仲間です。
なのでオーガの皆さんにも、
是非ご助力を!」
ゴブリン、エルフはまあ、
王と話せば旗下に加わるか…
コボルトはまだはっきりしないが、
ちょっと盛った。
しかし軍門下れと解釈したのか、
ドーナ女王は問答無用で、
レガリアメイスを私に振り下ろした。
ゴートの防御結界で防げたが、
危なかった…
「そのゴーレムの魔法か?
お前自身は弱いのに、
よく従えれたな…
口ほどにもない!
オーガを従えたいなら、
あたいに決闘で勝ってからにしな」
そう言うとドーナ女王は、
レガリアメイスを手に奥に下がった。
それと共に、
頭が猫の猫獣人と、
猫耳似合わぬ人型おじさんが、
素早く床の血肉をモップで拭いた。
死体も慣れた手付きで、
素早く片付けた。
ケット・シーか!
首に首輪有るから奴隷か?
「おら人狼ども!帰れ帰れ!」
「帰らなきゃ殺す!」
「おもしれえ!やってみろ!」
「乱暴はいけないんだな!
話し合おうだな!」
「鬼風情が龍を止められるか!」
他オーガと揉み合いになり、
私達は洞窟外に押し出された。
「でもどうしても、
ドーナ女王も口説きたい!
サワイあの小さい形態なって!」
「えー!?分かりました…」
「ゴートと先生は、
そこで待ってて!」
サワイは不満げな顔しつつ、
久しぶりに可愛いマスコット形態なり、
私は完全な狼になって、
潜入を試みた。