泉に入浴
しかし疲れたし、
そう言えばお風呂に入ってない…
サワイは私を「良い匂い」と評価したが、
それはサワイだから好意的であって、
他からしたら臭いかも知れない…
暫く歩くと綺麗な泉が有り、
ここで水浴びするとしよう…
「サワイ、ここで水浴びするから、
周りに人居ないか見てきて」
「姐御脱皮するんすか!?」
「服は皮じゃないし、
体の一部じゃない…
いいから早く!」
「へーい!」
サワイは私の希望をあまり理解してないが、
取り敢えず離れたので、
久しぶりに服を脱ぐ事にする。
着替えが無いので、
服をどう洗濯するのかは、
今は畳んで置いとこう…
冷たいが綺麗だな…
深いが底まで見える…
風呂よりプールに近いか?
小さい魚なら泳いでいるが、
私を喰える大きさのモンスターとか、
居るんだろうか?
眼鏡も外しているから、
ぼんやりとしか分からない…
う、腋汗凄いな…
「姐御ー!周りに誰も居ないですぜ」
「きゃー!?」
「何すか!?誰か居たんすか!?」
「いやサワイが来たから!」
反射的に体を首から下まで、
水面に隠したが、
サワイは状況を分かっていない。
「いや!何で今さら、
姐御が俺を恐がるんすか!?」
「そりゃあ…裸恥ずかしいから…」
「そもそも裸って恥ずかしいんすか?
俺ずっと裸なんすけど!?」
人嫌いでモンスター好きな私でも、
会話出来るのでついサワイを、
人間の男の子みたいな感覚で見ていたが、
獣だから裸が恥ずかしい感覚分からないのか…
これが人間に近い亜人タイプなら、
着衣するから理解出来るんだろうが…
会話出来てもワイバーンは、
爬虫類なんだな…
服が無いと恥ずかしい感覚を、
ワイバーンに説明するのは難しいので、
取り敢えず理解し易そうな説明するか。
「えーと人間は毛が少なくて、
鱗も羽毛も無くて皮薄くて防御力低いから、
上から服着て防御するの…
つまり今の私は無防備って事」
「あぁ人間て服の下に皮有ったんすか!
薄過ぎて人喰っている時も、
気付きませんでした!
鱗とか無いと大変なんすね~」
獣の皮は分厚く、
加工して色んな製品に出来るが、
それに比べたら人間の皮なぞ、
温めた牛乳の表面並みに儚い膜だろう…
亜人モンスターとかには恥ずかしがるべきだろうが、
サワイとは種族が違い過ぎるし、
人間がペットの前で裸になっても、
恥ずかしくはない…
そもそも私は最初喰われようとしたから、
服破いてたらどのみち見られていた。
「つい驚いたけど、
サワイ私を今喰う?
服無いから食べ易いと思うけど」
「何言ってんすか!?
姐御は他の人間と違うっす!」
食べ物と同族だが違う、
人間がペットのミニブタや、
水族館の魚を見る感覚だろうか?