偽栄子一味
オークの里から出ると、
山羊の様な角生やした、
五本足のバイコーン馬に乗った、
奇妙な異種DQNカップルに出くわした。
「見ろよ!ぱねえ!
本当に本物だぞ!?」
「アハハハ!チョーヤバーイ!」
馬上の女見覚え有る…
クップくんが私に見せた写真の、
NTRれた遊び人女の!
「もしかして…キリナ!?」
「マジヤバーイ!
本人があたしを知ってるなんてー!?」
「クップくんから、
チャラい遊び人に、
NTRれたと聞いたけど…」
「ウェーイ!俺がその遊び人どぅぇーす!
フェルニゲシュって言いまーす!」
キリナの後ろに居たのは、
なんと絶滅した筈の、
西洋ドラゴニュートだった!
「娼婦より稼げるから~
あたしそのオークの里で、
魔神殿巫女やってたんだけどぉ~
クップのやつ一方的に惚れて、
ストーキングして来たから、
フェルくんに助けてもらったの♥️」
「あいつボコッたら、
なんか魔法でおっぱい生やして、
僕も彼女にして下さいとか、
崇める宗教作っただの、
キモ過ぎる事言ったから、
俺の馬で一緒に逃げたんだよwwww」
クップくんキリナの恋人でなく、
ただの客だったのか…
あの思い込み激しさなら、
確かに両思いと思い込みそう…
てかクップくんから人間の娘寝取った、
遊び「人」と言うし、
朝に人間の遊び人来たから、
普通に人間の男と思っていた…
むしろあの時連れて来た、
竪琴持った遊び人が、
NTRれ屈服し崇めた、
遊び人様本人と思っていた。
なるほど確かにフェルニゲシュ、
見た目格好良いし、
これならキリナ奪われて、
崇めたくもなるかも…
私もサワイでなく、
こいつに最初に出会っていれば、
今キリナの位置に出合っていたかも?
「まあ俺ドラゴニュート狩りでも、
この五本足の馬のおかげで、
無事逃げ切った訳よwwww
女やガキまで逃げずに、
人間と戦うなんて馬鹿過ぎるよなwwww」
しかし性格は最悪だ!
確かに逃げた方が生き残るが、
女子どもも見捨てて笑うとは…
私は同族に直接、
もっと酷い事するが…
最初にこいつに出会っていれば、
モンスターまで嫌いになっていたかも?
あの冒険者からは、
余裕で逃げ切るだろうけど…
「これが…南蛮最後の竜人!?」
チャラいフェルニゲシュを見て、
先生ショック受けている…
きっと自分や勇者に近い、
誇り高い騎士みたいなの、
想像してたんだろな…
「そうそう!フェル以外のドラゴニュートも、
クップもみんな馬鹿wwww
あ、それと俺本当は五本足でなく、
六本足なんだけど見る?」
「ヤダー!バイくん本物にまで、
そんなの見せるんだー♥️
あたし、フェルとのラブラブえっち、
本物に見せちゃうー!?」
五本足のバイコーン馬まで、
チャラくて下品で性格悪いのか…
こいつらモンスターだから、
ギリ許せるけど、
アダムワールドで私をいじめてた様な、
クラスのギャル同級生や、
その彼氏に近いDQN…
人間なら関わりたくないタイプだ!
サワイも人間なら関わりたくない、
DQN女だけど…
「あとさっきから、
本物本物って何?
私の偽物が居るの?」
「あーあたしあたし!
あたしあんたの真似して、
怪物の魔女名乗って暴れてんのwwww」
確かに私は、
悪い人間の女が暴れる、
口実にし易いけど、
私の偽物だったのか!?
クップくんが似てると言ったの、
これか?
いや、でも今の姿も似てない…
黒髪でなく茶髪で裸眼で色白だし、
服装も露出多い遊び人服…
刀はシャムシールだが、
手配書の私の刀もだったのは、
こいつと混同したからか?
「てめー!全然姐御と似てねえだろ!
姐御はもう人間でなく人狼なんだよ!
それに連れてるドラゴンが、
ワイバーンじゃねえし!」
サワイは私とキリナ相違点だけでなく、
自分とフェルニゲシュが、
別ドラゴン種である事を指摘した。
「もっと栄どんに似せる、
努力して欲しかっただ…
うーんそのバイコーンが、
おらの立ち位置だかなあ…
その西洋ドラゴニュートは、
サワどん+先生だかなあ…」
ゴートはキリナにダメ出しし、
モンスター立ち位置に悩んでいた。
「かような不逞の輩が、
南蛮竜人…
生き延びたはこやつだけ…」
先生はまだフェルニゲシュに、
ショックを受けていた。