オーク王邸
「すいませーん!
私は怪物の魔女でーす!」
ドアを叩くと、
猪に近い毛と牙が生えた、
オーク男が出迎えた。
執事だろうか?
「どうぞ、お入り下さい」
通されると庭は、
豚小屋とは逆に整理されている。
草木も上半身女人型で、
下半身蛇のラミア庭師が切り揃え…
ラミアそういう野良仕事もするのか!?
ジェンダーフリーだな…
下半身蛇だから庭似合うが…
豚ながら鶏も飼っているのか、
小屋から鳴き声が聞こえる…
私の金持ち時代庭園より綺麗だが、
石像だけおぞましかった。
人間型だがみな、
恐怖と苦痛に満ちた表情で、
そういやここモンスターの屋敷だなと、
再認識した。
邸内には恐ろしげな赤帽子妖精、
レッドキャップのメイドや、
獣人バグベアー執事が働いている。
色んなモンスターを、
従えている様だ。
先生は日本ぽい国から来たゆえ、
玄関で草鞋を脱ぎかけたが、
履き直してサワイ、ゴートと共に、
土足で入る。
(エルフ宮殿より、
家っぽいからか?)
「怪物の魔女様、
ここが我らオークの王、
ハイカー様のお部屋です」
ゴブリン、サスカッチよりは豪華だが、
エルフ宮殿程ではない、
リアル金持ちレベルな家の主…
扉を開くと窓が開いているのか、
外からの潮風が吹いた。
「1ピッグと1トールキンと1フラット…
やっぱ支払いは金精霊より、
現金やなあ」
これがハイカー王か!