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転生したので異世界でショタコンライフを堪能します  作者: のりたまご飯
第一章 ショタコン、異世界に立つ
9/30

Part9 今日はこれで

少しして俺たちは教室の外に出た。


ちなみに先ほどノートを貸したオレンジ髪の子は横を見るとすでにいなくなっていた。

教室の外には、俺たちと同じような服を着た1年生の生徒たちが一斉に廊下に溢れ出していた。


「じゃあ、帰るか?」


「もう帰っちゃうのぉ?」


「ええ…」


確かに、お昼までまだまだ時間があるし、ここで帰ってしまうのも少し勿体無い。

そこで、俺たちは学校探検に出かける事にした。


ジュベナイル中央学校は、いくつかの校舎で構成されている。

俺たちが今いるのは、俺のいた世界で小学校と呼ばれる初等部。

って言っても、ここに通うのは7歳から9歳までの3年間。つまり、一般的に小学3年生までという事になる。

どうやら初等教育は6年間ではなく、10歳未満の3年間のようで、その後は中等部として別の環境で学ぶ事になる。


隣にあるさらに同じような建物、中等部へと校舎が移ると、ここでは学んでいるレベルによってクラス分けがされる。

例え4年生でも成績優秀であれば高レベルのクラスに組み分けされるということだ。

中等部は10歳から15歳までの6年間通うことになる。

要するに、日本の小学校を2つに分割し、高学年の方を中学校とくっつけて、それぞれを初等部と中等部と呼ぶって言うことだ。

そしてその先は高等部で、一般的に16歳から18歳までの3年間、高等教育を受けることになる。

ここに関しては前の世界の高校と一緒だ。


ちなみに教室割りは1階が1年生、2階が2年生、3階が3年生になっている。

1年生以外は授業中だったので、2階より上には行っていない。こっちの探検はまた正式な授業が始まってからにしよう。

1階には、他にも職員室や保健室、食堂のような部屋もあった。


3階建ての建物は、ジュベナイル中心部では珍しくはないものの、レンガ造りの立派な初等部校舎は、外から見るとその歴史を感じ取れることができる。

天井には繊細な彫刻が彫られており、壁には所々にある丸みを帯びたガラスの窓から、自然の光りが入り込むようになっている。


「綺麗なところだね…」


天井を向きながら、廊下を二人でトコトコと歩いていくと、先ほど入ってきた玄関に戻ってきた。

玄関にあった大きな柱時計は、10時20分を指していた。


玄関の外は、すでに太陽が空高くまで上がっていて、遅い夏の陽気を感じられた。

ちなみに言うのを忘れていたのだが、この世界は基本的に9月が学期の始まりで、前の世界だと、ヨーロッパやアメリカの国と同じだ。

だから7歳の俺が1年生として入学できたと言うわけだ。


俺たちは帰路に着くことにした。

探検は明日以降にお預け。今日は一旦家に帰ってゆっくり休もう…。

っていっても2時間ちょっとの登校じゃあ疲れもしな…


「疲れたぁ…」


隣にいた。2時間ちょっとの登校で疲れてる人が。

まあけど、初めての学校だし、緊張した分疲れたのだろう。

カバンの肩紐をつかみながら、リュイが俺の方を見て話しかける。


「リオンくんは平気なの?」


「うん…今日は2時間ぐらいしか行ってないし。」


入学式とは言え、前世では2時間で学校から帰れるとしたらそれはもう天国だ。

クラスの誰もが泣いて喜ぶだろう。


「これから毎日、二人でいっぱい勉強しようね!」


「おう。わかんないところがあれば教えてあげるからな」


「なんで僕が教えられる側前提なの…?」


少し困惑するリュイを横目に、俺は改めて学校に行ける喜びと苦悩について考えていた。

明日からは通常登校。ちゃんとした授業も始まるようだ。

その時にはこの世界についていろんなことを知ることができるだろう。

歴史や世界の様子についても、俺はあんまり知っていない。そういった面からも学校は俺に知識をくれる貴重な場だ。


けど…。

もし授業が日本で教わっていたものと一緒じゃなかったら…。

数学のルールが根本的に違ってたら…。

リュイがいじめられたら…?


そういう心配事も山ほど出てくる。


まあでも。

日本とは違う、新たな人生を楽しもうじゃないか。

そう決意した俺は、隣にいるリュイに後ろから抱きついた。


「わっ!ど、どうしたのリオンくん…」


「一緒にがんばろうなっ。学校」


「…うん!」


リュイの髪の毛からはいい匂いがしていて、太陽から照らされて少し暖かった。



行きと同じ道のりを歩き、家の近くまでくると、

リュイと別れて、俺は家へと戻った。


「あら、早かったわね」


「入学式の日は早く下校するみたい」


今日起こったことを話しておくと、

母は楽しそうに学校の様子を聞いてくれていた。


昼ごはんまで時間が空いたので、とりあえず自分の部屋に戻った。

カバンの中からノートと筆記用具を取り出す。


最初のページを開くと、リュイからさっき写してもらっていた、聞きそびれていた部分のメモを確認しておく。

楽しい楽しい学園生活は、まだまだこれからだ。


続く

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