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転生したので異世界でショタコンライフを堪能します  作者: のりたまご飯
第一章 ショタコン、異世界に立つ
7/30

Part7 通学路

そこからは早かった。

お金と一緒に申し込みの書類はあっさりと受理され、俺は晴れて1年生として入学することとなった。

制服を一式揃え、勉強道具と教科書も取り寄せた。


金は一通りかかったが、両親も嫌な顔一つしないで、俺を学校に行かせてくれた。

そして、入学式の前日。


「リュイ似合ってるぅぅっ!!かわいいいっ!!」


俺たちはリュイの家で制服の試着会をしていた。

ブカブカの茶色いブレザーに、手提げ鞄を持ったリュイは、天使以外の形容詞では表せない。

カメラがこの世にないのが悔やまれる。目にしっかりと焼き付けよう…。


「リオンくんも似合っててかっこいいよ!」


不意打ちを喰らい、俺は少しだけ驚く。


「そ、そうかな…ありがと…。」


撮影会、もとい目に焼き付ける会は一旦終了し、俺たちは制服を脱いで普段着に着替えた。


「学校、楽しみだね」


「そうだな…。」


俺は正直、それほど楽しみではなかった。

ショタがたくさん見れると言う点では、これ以上ないことだったけど、前世のトラウマがいまだに邪魔をしてくる。


「リオンくん?元気ないよ?」


「…そう見えた?」


「明日、ついに学校に行くんだし、元気出さないとだよ!」


リュイはそういうと、俺の頭を撫で始めた。

俺がこんなんだったら、リュイにも心配をかけてしまう。


「ありがと。リュイのおかげで元気出たよ」


「ほんと!えへへ…」


「もう心配しなくて大丈夫。明日、一緒に頑張ろうな」


「うん!一緒にがんばろ!!」


そして俺もリュイの頭を撫で返す。


その後、俺はリュイの家から自宅へと戻り、明日の準備をしてから布団に入った。

学校…。この世界では大学などが存在するか、今のところはわからないが、おそらくいろんな出会いがあるんだろうな…。


いろんな人と出会って、いろんな人と話して、

もしかしたら誰かと恋に落ちるかもしれない。


うっ…。

やっぱり考えないようにしよう…。

普通に振る舞って、そして普通に生きよう。

それが一番だはず。


一年生では何を習うだろうか、足し算や引き算?

そんなことをうっすらと考えながら、俺は眠りに落ちた。


ーーー


「おはようございます」


本日は入学式だ。

しかし、前世の日本とは違って、親が特別参加したり、そういったことはないらしい。


「忘れ物はない?」


「大丈夫です。」


母が制服の帽子を直してくれた。

朝ごはんも食べたし、これから歩いてジュベナイルの中央、シャトー城へと向かう。

もちろん…


ピンポーン


「いらっしゃったかしら」


ドアを開けると、


「あらエトワールさん、おはようございます~!」


「エトランゼさん!お互いにめでたい日ですわね!」


おほほほと、母親二名が話し込むのを横目に、俺は同じ制服を着たリュイのそばへと行った。


「おはよう…ございます」


あら、礼儀が正しいこと。

学校でちゃんと挨拶ができるよう練習をしているのだろうか。


「おはようございます。」


俺も頭を下げて礼儀よく挨拶をする。


「今日からよろしくね?」


「こちらこそ。」


リュイが笑顔になったのを見ると、俺もふっと微笑んだ。



「行ってらっしゃい~!気をつけるのよ!」


「いってきま~す!」


俺たちは後ろから手を振る母親陣に手を振りかえし、そのまま通学路へと進んだ。


「あの子たちもあんなに大きくなってっ…ぐすっ」


「わかりますわエトランゼさん…うちの子とこれからも…」


「もちろんですわエトワールさん…!!」


さて、俺たちが向かう学校は、ジュベナイル中央学校。

国立の大きな学校で、俺の住む「ノル」地区からは徒歩20分ほどで、皇居であるシャトー城のすぐそばに位置している


通学路には、同じような制服を着ていた学生たちが他にもチラチラと見えた。

俺はリュイと手を繋いでトコトコと歩いていく。


「なんか、緊張するね…?」


「そうだな。けど、入学式なんてこんなもんだろ」


「え、リオンくん学校行ったことあったっけ?」


まずい。前世で4回入学式を経験しているだけあって、思わず先輩風を吹かせてしまった。


「そ、そんなことないよ!俺も緊張してるし」


「そっか…。どんな人がいるんだろ、、ちゃんと敬語?使えるかな」


「練習してみる?」


「うん…。」


リュイは俺と繋いでいた手を離し、喉をこほんと鳴らした。


「お、おはようございます!」


「おはようございます。」


「こんにちは!」


「こんにちは。」


「ありがとうございました!」


「ありがとうございました」


リュイが大きく挨拶した後に、俺が落ち着いた声で繰り返していく。

会社の朝礼かよ、とツッコみたくなった。


そうしているうちに正面には、中世的な城壁に囲まれた、美しいお城が見えてきた。

あれがシャトー城だ。


「綺麗だねぇ…」


「お父さん、ここで働いてるんでしょ?」


「うん、毎朝早く行っちゃうから、最近はあんまり話せてないんだ…」


「もしかしたら会えるかもしれないな」


「そうだといいな…」


シャトー城の一つ前の交差点を左に曲がると、シャトー城と堀を一つ挟んだところに、俺たちの向かうジュベナイル中央学校が見えてきた。

薄い茶色のレンガで造られた壁に、所々が丸屋根になっていて、まるで中世のお城のようだ。

RPGっぽさに俺は興奮した。異世界最高。


この辺りになると、生徒もぐんと増えてくる。

俺たちと同じような身長の子もいれば、背が高い高学年の生徒もちらほら見える。

とはいえ、これでも一部であり、学校には寮が併設されているようなので、そこからそのまま通っている生徒もいるとか。


俺たち二人は、正門の前でもう一度制服を整え、手を繋ぎながら校内へと入った。


続く

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