Part35 もう寝る時間
部屋の中心にある大きな浴槽には、既に数人のクラスメイトたちが入っており、深さは立ったまま入るとギリギリ下半身が見えなくなるぐらいだ。
肝心のものが見えなくても、鼠蹊部のラインってエロいよね…なんつって。
浴槽の縁まで歩いてきた俺は、ひとまず手でお湯を掬って体に数回ほどかけ湯をした。
他の二人は不思議そうな顔をしていたが、日本人たるものこのステップは欠かせない。
気を取り直して浴槽に片足を入れると、じんわりとしたお湯の温度が足に伝わり、水面に小さな波が立つ。
体温よりも数度温度が高くなっているお湯は、体の表面を温めることで血流を促進し、昼間に遊んで溜まった疲れを分解する。
そのまま腰を下ろし、肩までお湯に浸からせると、体全体が急速に温められ、全身の疲れが取れるわけだ。
「はぁ~~~~~………」
超特大のため息を一つつくと、俺は前世で入った温泉のことを思い出した。
お風呂に入っている時だけは、何も考えなくて良かった。
ただぼーっと、白い湯気を眺めながら、ゆっくり温まっていく体から湧き出す幸福感を感じる…。
「あったかいねえ」
「うん…」
「あったかいなぁ」
気がつくと俺たちは三人で横並びになりながら、肩まで深くお湯に浸かっていた。
やっぱりお風呂はさいk…
「うおおおお!!!」
バッシャーーーン!!!
和やかな雰囲気が一変。
俺たちの前には、大きな水柱が立った。
「もうっ!飛び込んじゃダメって、さっきエルくんから言われたでしょおっ!」
少し遅れて、後ろの方からノアの声がした。
となるとこの水柱の正体は…。
「あれぇ、そうだっけ」
俺たちの目の前の水柱が消えた途端、満面の笑顔で水から顔を出したのは、紛れもないレオの姿だった。
ーーー
「ごめんなさーい」
「次からは先生に言うからね?」
「エルさま厳しいい~」
マナーをしっかり弁えるようにと、エルから指導が入ったところで、俺たちは五人で入浴することに成功した。
その後は今日のビーチの話や、明日何をしたいかなどといったたわいもない話が交わされ、リュイが少しのぼせ気味となったところで全員がお風呂から上がることになった。
一方の俺はというと、お風呂の中でも積極的に視姦を続け、ついにはショタちんの摂取多量と言う別の理由でのぼせそうになっていた。
「ビーチにご飯にお風呂!今日は楽しかったねぇ」
「ふわぁ…。僕もう眠い…」
部屋に戻り、俺たちは就寝の準備を進めていた。
寝る場所は今日の午前中に決めていたのと同じ、俺とリュイとエルが一つのベッド、レオとノアがもう一つのベッドとなった。
「三人はちょっと狭いね」
エルがそう言いながらベッドの上に上がってきた。
いつもキングサイズのベッドで寝てるから当たり前だろう。
「でも、みんなでぎゅーってするの、僕は好きだけどな」
「この前エルが泊まりに来たのを思い出すな」
ひとまず俺が一番右、間にリュイ、左にエルという順番で、俺たちは布団の中に入った。
「暗くするよ~?」
「おねがーい」
まだ立っていたノアが数カ所に付けられていたろうそくを吹き消すと、部屋は真っ暗になった。
隣のリュイの顔がぎりぎり見えるくらいの暗さだ。
「おやすみ、リオンくん」
小声でリュイがそう言ってきたので、
「おやすみ」
と返しておく。
明日は一日中自由時間になっている。
リュイたちと遊んだり、あとはノアの件についてももっと深く考えないと…。
レオをもっと意識するとは言ったものだが、最終的に気持ちが伝わらなければ意味がない。
「好き」という気持ちを、ノアがもっと認識すればなんとかなりそうだが…。
そもそもこの世界において、同じ性別同士の恋愛って、、、
そんなことを考えながら、俺は眠りについた。
そして、長い夢を見た。
続く




