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転生したので異世界でショタコンライフを堪能します  作者: のりたまご飯
第一章 ショタコン、異世界に立つ
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Part24 そばにいるだけで

午後の授業も無事に終わり、俺は急いで帰路につく。

ただの風邪とはいえ、この世界では症状の重さもまた異なるのかもしれない。


人が行き交う街道を小走りで走り抜けると、俺はまずリュイの家へと向かった。


「お邪魔します!」


「あらリオンくん、おかえりなさい」


玄関にはリュイのお母さんが立っていた。


「リュイはどうですか…?ひどくなってないですか?」


「心配してきてくれたのね…。大丈夫よ、ご飯を食べたら熱も下がって、今はお部屋で寝てるわ」


「よ、よかった…。」


それを聞けてひとまず安心。

お母さんに許可をもらい、とりあえずリュイの部屋に向かってみる。


ゆっくりとドアを開けると、そこには寝息を立てて眠っているリュイの姿があった。

昨日みたいに苦しそうな表情でもないし、熱もすっかり下がっているようだ。


ベッドの枕元近くの床に座って、寝顔を観察してみる。


白い肌に包まれた頬を指で突くと、柔らかい感触が指の先を包む。

サラサラとした黒髪を今度は数回撫でてみる。

するとリュイは心なしかほんのり笑顔を浮かべているように見えた。


スースーという寝息を立てながら、少年は無防備で可愛らしい寝顔を浮かべる。

それを見て俺は改めて、この世界に転生してよかったと思った。


「ん…」


リュイの頭を無心で撫でていると、リュイが小さく唸りゆっくりと瞼を開いた。


「あっ…起こしちゃったか」


「リオンくん…?あれ…もう帰ってきて…」


「おう。ただいま」


「ごめんね…僕が風邪引いたせいで、リオンくん一人だったでしょ」


「そうだぞー。リュイがいなかったからすっごい寂しかったんだからな」


「んん…は、早く良くなるからね」


寝たまま右手をガッツポーズさせるリュイを見て、俺は思わず笑ってしまった。


「そうだな。早く良くなって一緒に学校行こうぜ」


また追加で数回ほど頭を撫でる。

リュイも寝たまま頭を撫でられるのが気持ちいいみたいで、そのまま数分間ぐらい撫でていたら、また寝てしまった。


「すー…すー…」


「…」


ま、風邪は寝て治せって言うしな。

いっぱい寝たらいっぱい元気になるもんだ。


名残惜しいが、最後にひと撫でをしたあと、俺はゆっくりとリュイの部屋から出て行った。

だいぶ長い間リュイの部屋にいたようで、時計は18時を指しており、外はもうすっかり暗くなっていた。

確か帰ってきたのが17時ぐらいだったから…。1時間ぐらいいたのか…。


「明日はお休みよね。もうだいぶ良くなってるはずだから、明日には遊べると思うわ」


「はい!また明日も来ます!」


「気をつけてね」


「お邪魔しました」


リュイのお母さんに挨拶をしてから、道路を渡って家へと戻る。

さっきは学校から帰ってきてから直接にリュイの家へと向かったから、少しだけ母が怒っていた。

事情を説明してなんとかことなきを得た。


ーーー


翌日は土曜日でお休みだった。

リュイの体の調子もおとといに比べて良くなっているみたいで安心した。


「ねえリオンくん」


「ん?どした?」


朝ごはんを食べたらすぐにリュイの家へと向かった。

母も同行してくれて、病み上がりにいいとされる果物なんかをリュイのお母さんに渡していた。

その後すぐに玄関で世間話を始めたので、俺はささっと抜け出してリュイの部屋に来たと言うわけだ。


「昨日、学校終わったあと、僕のこと見に来てたよね」


「ああ。リュイのこと心配だったし」


「なんかね…。嬉しかったんだ、、、リオンくんはなんでも僕のこと考えてくれてて…。」


リュイは悲しそうな笑顔を浮かべて下を向いていた。


「それなのに、僕はそんなに頭も良くないし、風邪引いたりとか…。リオンくんに迷惑ばっかりかけてるし…。」


「…」


「昨日、頭を撫でてもらった時も、すっごく気持ちよくてね…。僕って、本当に幸せだなって、思ったの…。だけど、僕は何もリオンくんにしてあげられなくて、それがすっごく…悔しくって」


「そんなことない!」


俺はリオンの言葉の最後を遮って言った。

そして何を思ったか、とりあえずそうするべきたと思ったからか。

ベッドの縁に座るリュイのことを抱きしめた。


「俺はリュイがいるから、頑張れるし、リュイがいるから、幸せな毎日を過ごせてるっ!」


「…リオンくん、、」


「昨日も、一日中リュイがいなくて…。授業も一人だし、学校に行く道も、帰ってくる道も…。ずっと寂しかったんだ」


「、、、」


「俺はリュイに何かをして欲しいわけじゃない。何もしてあげられないことを悔しく思わなくていいんだよ…。ただリュイが元気で、そばにいてくれるだけでいい」


そう言い切ると、俺はリュイを抱きしめる力を少しだけ強くした。

それに応えてくれるかのように、リュイも俺を抱きしめてくれた。


別に恋愛感情なんかじゃない。

ただ俺は、リュイのことを、そばで守ってあげたい。

それだけのことだった。


ーーー


「リオンくーん!学校いこ〜」


「リュイおはよう〜。ふわぁ…」


週末明けの月曜日。リュイはすっかり元気になって、俺と一緒に大通りを歩いている。


「今日も眠そうだね」


「ちょっと昨日な…。」


「子供は早く寝ないと身長伸びないって、お母さんが言ってたよ?」


「そうだなぁ…ふわぁ、、」


「もー話聞いてないじゃん!」


さて、今日も1日頑張るか…。


<第一章 終わり>



→第二章へと続く…

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