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転生したので異世界でショタコンライフを堪能します  作者: のりたまご飯
第一章 ショタコン、異世界に立つ
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Part16 帰り道+1

「ぐすっ、、うぅっ…」


エルはどうやら泣いているようだ。

これはなんとも話しかけづらい雰囲気なのだが…。


「エルくんっ!?どうしたのぉっ!」


俺が少し話しかけるのに躊躇っているすきに、リュイは俺の隣を通り抜けてエルの方へと走っていった。


「あっ!おいリュイ…」


どうやらうちのリュイくんは空気を読めないらしい。

俺も後を追いかけてエルのもとに向かう。


「な、なに…って、リオンくんとリュイくん…ぐすっ」


顔を上げたエルが俺らの姿に気づき、目のもとを袖で少し拭った。


「二人とも、まだ帰ってなかったんだ…。」


「帰ろうとしたんだけど、ちょうどエルくんが見えてね」


「どうしたんだよ、こんなところで。」


「ごめんね、、、ちょっと、疲れちゃって…。でも大丈夫だから、心配しないで…。」


エルはまた寂しそうな表情を浮かべて、少し俯いた。

これは明らかに何かがあるな…。俺の勘がそう言った。


「今日も家庭教師があるって、言ってなかった…?」


「…」


ついには黙ってしまった。

おそらく原因は今し方リュイが口にした「家庭教師」もとい勉強のせいだろう。


「よかった一緒に家まで送って行くぞ」


「うん。僕たちついていくよ」


「…ごめん、本当に大丈夫だから…。ぐすっ…」


空の色もだんだん深くなってきている。

このままじゃあ夜になってしまう。


「エルくん、、早く帰らないと…。お家の人、心配しちゃうよ」


「そうだぞ。もう10月だし、夜にこんなところいたら風邪になっちゃうぜ…。」


俯いたまま何も話そうとしないエル。

これ、どうすりゃいいんだ…?


本音を言うと、こういうなんでもできる文武両道で明るいショタが、隅っこで一人泣き出してしまうシチュエーションは最高だ。

なんだろう…可哀想なのに体がゾワゾワするというか…。

このまま家に持ち帰って、話を聞きながらいくつかの意味で慰めてあげたい。



ん…?

家に持ち帰る…?


「エル!」


「…」


俺はちょっとだけ大きな声でエルに向かって言った


「今日、俺の家で…お泊まり会しようぜ!」


「…えっ、、」


「リ、リオンくん!?!?」


「お泊まりって、僕がリオンくんの家に行って、泊めてもらうって言うこと…?」


「そうだ!お前、本当は家に帰りたくないんだろ」


「っ…」


これは図星か…。おそらく家族との関係、勉強のストレス、加えて貴族としての期待…なんかだろう。

こいつ、7歳にして背負っているものがデカすぎないか…?


「リオンくんってばもう、、そんな急に言っても、中央貴族様のご子息を泊めるとか、僕たちにはできないよ…!ほら、安全面とか、、」


「泊まる…。」


「えええ!?」


ほとんど即答だった。

リュイも目が飛び出そうなぐらい驚いていた。


「よし、じゃあ決まりだな。ほら、いくぞ」


俺はエルに向かって右手を差し出した。

数秒ほどして、エルも右手で俺の手をぎゅっと掴むと、そのまま立ち上がった。


そう言うことで、急遽だがフライデーナイトお泊まり会が決定したのである。会場は俺ん家。


ちなみにここからは何も考えていない…。

果たして中央貴族の子供をこんな軽々しく家に連れて行っていいのだろうか…?

親御さんにはなんの連絡もしていないし、、このままじゃ誘拐……???

普段のこの時間なら、エルも家についている時間だろう…。

そろそろ帰ってこないことを怪しんで探しに出てくるかもしれない。


しかも親にも何も伝えていないし、これはひょっとしたらとんでもないことになってしまうかも…。

俺は悪くない…。俺は悪くない…。俺は悪くない…。俺は悪くない…。

中央貴族様のご子息のメンタルケア(?)をしてあげただけだしっ!本当だしっ!


「リオンくんとリュイくんは、お家がご近所さんなんだよね?」


「そうだよ!僕の家とリオンくんの家が向かい合わせになっててね、僕もよく遊びにいくんだ!」


「へ〜…」


さりげなくリュイも巻き込んでしまっているが…。

こいつの家、皇族関係の仕事をしているはずだし、これがもしバレたら何か処罰を喰らうかもしれない…。


下手したらクビ、いや、「打首」だったりして…?

はっはっは


って言葉遊びをしてる暇はない!!!

友達の親にまで多大なる迷惑をかけてしまうことになるじゃないか…。


「ちょっと、リオンくん…」


「ひえあっ!」


急にリュイに耳元で話しかけられ、俺はびっくりして思わず転びそうになってしまった。


「さっきから見てたけど、多分何も考えてなかったでしょ」


「うう…」


はい、、、

リュイ様の言う通りでございます。


「はぁ…」


リュイは大きなため息をつき、その後に俺の方へと向き直して言った。


「僕がなんとかするから、心配しないで。」


「えっ…?」


ど、どう言うことだ…?

なんとかするって、リュイには何か方法があるのだろうか?

そんなことを考えているうちに、見慣れたうちの玄関が見えてきた…。


「ここがリオンくんのお家?」


「そ、そそそそう!ここ、だよ…あはは。あっ、ちょ、ちょっと待ってな、、ちょっと親と話をしないと…」


俺はなんとか話をつけようと、急いで家の中に入って言った。


「実はね…ってちょ、ちょっと待ってリオンくん!」


後ろでエルが何かを言っていたようだが気にしない。

とりあえず荷物の整理をしていた父がいたので話しかけてみる。


「ただいま戻りました、お父さん…」


「おう。おかえり。」


「えっと、ちょっと折り入って相談が…」


「おお、なんでも話してくれ」


「実はですね、今日、お泊まり会を開きたくて…」


「それはまた急だな。でも来るのはリュイくんだろう?じゃあ多分大丈夫だ。」


「はい、リュイは来るんですけど、でも…もう一人きてまして」


「学校の友達か?」


「はい…。」


「まあお前の部屋に入るんなら、俺は別に何人でも構わないぞ。」


お泊まりはいつもしていることだし、簡単に許可はもらえた…。

けど問題はそこじゃない。「誰が泊まるか」なのだ。

俺は腹を括って正直に話すことにした。


「その子の名前がですね、」


「おう」


「シエル・クレモンティーヌくんといいまして…。」


「シエル、、クレモンティーヌ………?あの中央貴族の?」


父親には以前もエルのことを話したことがあったはずだ。

おそらくすぐに状況を把握した父親は、今やっていた仕事をすぐに辞め、こっちに歩いてくると俺の肩を掴んだ。


「お前…中央貴族のご子息を、連れてきたのか…?」


「…はい」


続く

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