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闇討ち

 私は日の暮れた夜にアルフィ様の住む豪邸に戻りました。


 帰ってみるとアルフィ様は薬草の研究をしている最中でした。


「アルフィ様...」


「レイナお帰りなさい、疲れたからお風呂を沸かしてちょうだい」


「...」


 こんなに夜遅くになっても注意されないと言う事は彼女ももう私に興味がないのでしょう。


「アルフィ様」


「何?」


「...今日で()()()()()()()()()()()()


 その言葉に彼女は唖然としていた。


「な...なんで? 私の事が嫌になったの?」


「アルフィ様、私は貴女の事を今でも尊敬しています、尊敬はしていますが最近のアルフィ様は薬ばかり作っていますよね?」


「...それは」


「それは? お金の為でしょう? アルフィ様はお金が大好きですもんね、私もお金は好きですがあくまで手段としてのお金が好きなだけで今のアルフィ様のようにお金を稼ぐ事が目的ではないんです」


「...」


「...」


 お互いに沈黙する。


 しばらくしてアルフィ様は部屋の奥から私に安っぽい首飾りを渡してきました。


「これは?」


「私からのせめて物の選別です、受け取ってください」


「...わかりました受け取りましょう」


 そう言って彼女からの贈り物を受け取ると直ぐに豪邸を出て行く私。


 ここにいるとアルフィ様の金への執着心が移りそうで嫌だったのだ。


「さようなら...」


 そう呟いて足速に町の外に出る私。


 長らく滞在したガリレア王国から出国ししばらく歩いていると...。


「んっ? あれは...?」


 何故か軍旗を掲げる大規模な軍団がこちらに向かってくるのが見えた。


(あれは...! ガリレア王国に敵対する王国の軍旗! 何故こんな近くにまで進軍しているの!?)


 まだここはガリレア王国の国境内である。


 あれだけの数で進軍していればまず間違いなく報告が入るはずでしょう。


 それなのにそれがないと言う事は...!


「まさか...、ガリレア王国の兵士達が伝令を出す事すら出来ずに全滅させられて言っているの?」


 そう考えると私の頭の中にガリレア王国で過ごした日々が蘇る。


 近所の曲がり角のお茶屋さんにいつも杖を突いて歩いていたお婆さん。


 私の事をエルフだぁ! とか言いながら騒いでいた子供達によく贔屓にしてくれたギルド職員のお兄さん...。土の弾丸(ストーン・バレット)


 それらを思い出した私は思わず大群に向かって魔法を放ってしまう!


「【土の弾丸(ストーン・バレット)】!!」


 土の弾丸が兵士数人を貫き、彼らの表情がこちらを向く。


 何故だろうか? こんな大群を前にして勝てるわけが無いのに、私が戦わなければならないと言う思いが上回ってしまったのだ。


「アルフィ様...、どうか私に力を!」


 パッと見でも1万以上の軍隊が見える。


 それに対するは可憐なエルフの少女1人。


 私は物語で見ていた【魔女クイナ】の英雄譚を思い出しながら杖を振るうのでした。



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