最後の言葉
『この手紙をレイナが読んでいると言うことは私の身に何かが起こったと言う事でしょう』
その言葉に息を呑む私。
「アルフィ様...」
『でも心配しないでください、貴方には私の魔法の殆どを教えてあります。厳しい修行を耐え切ったレイナはきっと強い子であるでしょう。貴方の師匠である【魔女アルフィ】が保証します』
「師匠...!」
その言葉に涙が溢れそうになる。
『ではそろそろ私は行きますね...最後に親愛なる弟子であるセルフィの愛娘レイナへ...。 言葉を送ります。 ありがとう』
その言葉を最後に言葉が聞こえなくなった。
「アルフィ様...! お母さん!!」
私は両の目に涙を溢れさせながら、最後の言葉を何度も頭の中で復唱させました。
アルフィ様お墓を作り、その上でこの手紙を炎の魔法で燃やしました。
「さようならアルフィ様...、今まで本当にありがとうございました」
手紙を燃やしたのはいつまでのこの手紙を持っていると私が成長できないような気がしたからです。
それに師匠とお母さんが私を愛してくれていた事が分かっただけでも心が温まったので、それが理解できた以上この手紙は不要でしょう。
炎に焼かれ散り散りになっていく手紙を眺めた後に私はこの王国を後にしました。
だんだんと遠くになって行くガリレア王国を背後に感じながらも振り返る事なく次の町へと歩みを進める私。
何度も泣きそうになるのを堪えながら、私は次の町へと向かうのでした。